ワンオフ部品製作

 とある部品の製作待ちで暫くバイクが動かないので、どうしたもんかな・・・まぁ、寒いし動いたところで積極的に乗りたいわけじゃないし、そんな時は製作に時間のかかるワンオフ部品でも造りますかね〜 ということで、かつて製作したワンオフ部品なのですが長年の使用により随分くたびれて汚れています。よってこの際、再製作することにしました。以前、製作した時は寸法取りから始めて、完成しても不具合箇所があったりして再度、造り直したりして随分苦労した思いがあります。なので、手を付けるのをためらっていたのですが、当分、バイクが動きそうにないので重い腰を上げることにしました。



工作機械  【画像下】
 今回、使用した電動工作機械です。これらの機械が無くても製作することは可能だと思いますが、あった方が何かと便利な機械です。はっきり言って手作業だけでも造れないことはありませんがかなりシンドイと思います。最低でもジグソーと電気ドリル位はないと厳しいわな・・・

  ・卓上ボール盤(穴を開けるのに使用します。)
  ・ジグソー(アルミ板を切り取るのに使用します。)
  ・サンダー(主にアングル材等の切断に使います。)
   ※ 本当は高速カッターの方が安全に切断出来ます。
  ・グラインダー(主に材料等を荒削りするの使用します。)

 ジグソーはスキー板のようなガイドで材料を押さえるので、どうしても切るときに材料に傷がついてしまいます(保護シートを剥がさなければまず大丈夫ですが・・)。本当は、管理人行き着けのバイク屋のガレージにあるコンターマシンを使うと綺麗に切れるんだけどね! あと、ミニ旋盤フライス盤が欲しいけど、 あっても使いこなせないし置き場所もないしね・・・




特殊工具  【画像下】
 ホームセンターに売っているものなので特殊工具という程のものではないのですが、一応、今回の作業で使用した工具なのでご紹介します。画像下左はリベッターといってブラインドリベットを使用するのに必要な工具です。ブラインドリベットは一般的には裏側に手が入らない場所で使われ、身近なところではマフラーサイレンサーのシェルを固定するのによく使われています。溶接が出来ればあまり必要がないのですが、管理人は溶接が出来ないので各パーツの固定はリベットとアングル材を使用しています(ど素人丸出しやなぁ〜)。画像下右はリベッターと同じ様に見えますが、ナッター(オナッターではない)といってエビナットを取り付ける為の工具です。リベッターもナッター(クドイようだけどオナッターではない)もブラインドリベットやエビナットをかしめる為の工具です。

 ・リベッター(裏側にナットをいれられない場所を止めるのに使用します。)
 ・ナッター(エビナットを取り付けるのに使用します。)


保護具  【画像下】
 ワンオフ部品を造るには工具も必要ですが、それ以上に大切なのは保護具です。せっかく造っても怪我をしたら元も子もありません。なので、工具を買う金があったらまず保護具を揃えることをお勧めします。
皮手袋&メカニックグローブ  【画像上】
 まず手袋ですが、一般的には軍手を想像するかと思いますが、軍手は回転工具の使用では巻き込まれる恐れがありますし、熱にも弱いので殆ど使用しません。なので管理人は軍手ではなく皮手袋(通称カワテ)を使用しています。ただ繊細な作業ではどうしても使いづらいので用途によりメカニックグローブと使い分けています。


医療用手袋  【画像下左】
 チェーン交換等のグリスで手が汚れる作業の場合は使い捨ての医療用ゴム手袋を使っています。なんでそんなもん持っているのかというと入院してベットに軟禁されているときに必要だったので・・・(転倒・入院リハビリ日記参照)。 医療用だけに繊細な作業にも対応出来ますが、乱暴に扱うとコンドームと同じで破れちゃいますよぉ〜!というのが欠点です(笑)
ゴーグル  【画像上右】
 次に大切なのはゴーグルで、切削や切断作業では粉塵が目に入るのを防いでくれます。粉塵ならまだいいですが、もし砥石やドリルの刃が折れて目に入ったら・・・・と想像しただけでぞっとします。実際、今回の作業でもサンダーの刃が材料に食い込んで割れてしまいました(冷汗) こんなこと初めてです・・・ ですからゴーグルは必ず装着して作業します。


防塵マスク  【画像下左】
 粉塵対策については防塵マスクを装着しますが、使い捨てのものは顔の密着性が悪いのでフィルター交換式のものを愛用しています。また、粉塵だけでなく、本体が顔を覆ってくれるので万が一砥石や刃が折れて飛んできても顔を守ってくれます。
安全靴  【画像上右】
 最後に安全靴ですが、本来、材料は万力等で固定して切断するのが望ましいのですが、足で踏んづけて切断する場合が多々あります。そんな時、手元が滑って、あーっ!なんて時も安全靴を履いていれば先端に鉄板が入っているので、足を切ることはありません。エンジニアブーツでも十分代用可能ですが動き難いのでスニーカータイプを愛用しています。ちなみに管理人のエンジニアブーツは鉄板が入っていません(WEARS参照)


一般工具  【画像上】
 はっきり言って一般工具は安物です。とても皆さんにご紹介するような内容ではありませんが一応お見せします。まず工具箱ですが、REMLINE製を使用していたのですが容量が不足してきたので、アストロプロダクツでセール品のトップチェスト9段を購入しました。肝心の中身の工具はというとメガネレンチ・スパナ・コンビネーションレンチ・ソケットレンチ・六角レンチ・ドライバセット・ペンチ・ニッパ・プライヤー等がKTC製ですが、同じKTCでも眩しく輝くミラーツール(Nepros)ではなく鈍く銀色に光る通常品です(ショボ〜ン)。本来であればドライバーならPB、プライヤーならKNIPEXとモノによりメーカーも使い分けた方が良いと思いますが、何分、財布の中身が貧しい・・・じゃなくて乏しいので身分相応のものを使用しています。だいたい、肝心の腕(メカとしても乗り手としても)が無いのでこれで十分かなとも思います。でも本音としては所さんの世田谷ベースみたいなガレージが欲しいです。


リアフェンダー  【画像下】
 さて前置きが長くなりましたが、まずはリアフェンダーの製作です。基本的には切って曲げるだけなので難易度としてはそんなに高くないと思いますが、車両から型紙を起こすのが大変かと思います。今回は、横着して現在装着しているものから型紙を起こしたので大した手間ではありませんでしたが、1から型紙を起こす場合はノーマルのフェンダーを元に大まかな型紙を作り、最終的に現車合わせで型紙を製作していきます。しかし、ノーマルフェンダーはタイヤ形状に合わせてR形状になっていますので、直線形状で製作する場合は、寸法も変ってきますし曲げる位置や固定方法も考えなくてはなりません。
 材料はアルマイト済みのアルミ板を使用します。アルマイト無しのものはすぐ腐食して汚くなってしまうので、アルマイト済のものが良いかと思います。板厚は1mmだと金切バサミで切れる位ぺらぺらですから2mm厚を使用します。強度が必要な部品では3mm厚を使用したりもしますが、それ以上の厚みのものは曲げることが困難なので使用しません。また、アルミ板を曲げる時はバーナーで炙って曲げたほうが、曲げ部分のクラックが生じ難いようですが、アルマイトが変色するのと面倒臭いのでいつも常温で曲げてしまいます(笑) 曲げる時は万力等で挟み、曲げる根元に当て木をして叩くと綺麗に曲げることが出来ます。製作期間としては型紙さえ出来ていれば半日もあれば十分かと思います。
 最後は実車に装着して干渉する部分を削って修正します。また。取り付け用の穴も事前に開けてしまうとずれてしまいますので、現車合わせで開けていきます。うまく干渉せず装着できたら裏側にETCやHIDバラスト取り付け用のマジックテープを貼り、最後にアルミ板の保護シートを剥がしてお気に入りのステッカーを貼れば完成です(笑)。


テールランプ&ナンバーステー  【画像下】
 次はテールランプ&ナンバーステーの製作です。この手の部品はフェンダーと共にフェンダーレスキットとして市販されていますが、ナンバーの位置や角度が好みのものがないので自作します。寸法はノーマルステーをベースに型紙を作り、各パーツの固定はアルミチャンネル材をお得意?のリベットで固定していきます(笑)。当初製作したものは2mm厚のアルミ板で製作していたのですが、振動によりナンバーの曲げ部分がポッキリ折れたので(とはいっても5年以上は持ちましたが・・・)、その部分の板厚は3mmに変更しました。また、車体への固定も以前は裏側からナットで固定していましたが、裏側の狭いところにナットを入れるのが大変なので、ブラインドナットを取り付けて脱着が容易なように変更しています(ただ単にノーマルと同じになっただけだけどね)。製作期間としては約1日といったところでしょうか。


バッテリーケース 【画像下】
 最後はバッテリケースの製作です。以前これを造るのに確か1週間位かかった記憶があるので、はっきり言って二度と造りたくなかったのですが、実際に手をつけると既に見本があるだけに意外に早く完成させることが出来ました。製作期間としては約3日といったところでしょうか? よくアルミ製なので軽いと思われるのですが、実はリベットで箱を形成しているので、裏側のリベットの突起がバッテリーに当るのを防ぐ為に貼った保護用のゴム板(5mmt×2枚)が重く、ノーマルの鉄製ケースと殆ど重さが変らなかったりします。今回は軽くする為にゴム板に変えてスポンジを多用することにより、前作よりかなり軽量化することが出来ました。なお、バッテリーは現行のMF型が収まるように寸法を変更しています。
 まず、2mm厚のアルミ板を箱形状になるように切り出していきます。当り前ですが切り出し寸法は板厚を考慮して決めます(実は考慮しないで切っちゃたんだけどね)。板を合せる角はアングル材(15×15×1mmt)で固定していきますが、アングル材同士の突き合せ部分は45°でカットして合わせていくと綺麗に見えます。各パーツが揃ったら薄い両面テープを使用して仮組みしてリベットで止めていくのですが、どうしてもリベットを打つとズレて、せっかく突き合わせたアングル材同士に隙間が生じてしまいます(泣) まぁ、そもそもプロが造るならアングル材のリベット止めなんかでなく溶接だろうし、素人の自己満(オナニー)部品ですから細かい事を気にするのは止めましょう(笑) 箱が出来たら車体固定用や電装品装着用のステーを取り付けて、内側に保護用スポンジとゴム板を貼れば完成です。


編集後記

 今回は、バイクに乗れない(乗らない?)寒い時期の過し方としてワンオフ部品の製作を紹介してみました。あくまで、素人の自己満(オナニー)部品の為、皆さんにご紹介するにはお恥ずかしい限りの内容ですが、北国の方など長らくバイクに乗れない方は、オフシーズンにこんな部品を製作してみるのも面白いかと思います。Zは、色々なメーカーからアフターパーツがリリースされており、カスタムの素材としては大変恵まれています。しかしながら現行車のようにボルトオンのものばかりでなく、ある程度の加工も必要だったりして一筋縄でいかないのも事実です。既製品のパーツも綺麗で大変良いのですが、ラインナップされていないものや、オリジナルの部品を製作してみるのも面白いかと思います。みなさんも、これを機にワンオフ部品を製作してみては如何でしょうか? なお、製作に関しては十分強度に余裕をもって自己責任で製作するようにお願い致します。







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