富士スプリントカップ2010(スーパーGT編)
 
JAFグランプリスーパーGT&フォーミュラニッポン富士スプリントカップ2010観戦記として、まずフォーミュラニッポン編をご紹介しましたが、次はスーパーGT編をご紹介したいと思います。通常スーパーGTは2ドライバーの交代制で戦いますが、スプリントカップでは各ドライバーが土曜と日曜の決勝にそれぞれ分かれて走ります。また、いつもはGT500とGT300は混走で行われますが、それぞれのクラス毎にレースが行われるので、同クラスのみで争われ見応えのある内容となっています。また、ドライバーによってはフォーミュラニッポンにもエントリーしているので、ダブルエントリーとなる日もあります。それでは富士スプリントカップ2010のスーパーGT編です。



レジェンドカップ 【画像下】
 レジェンドカップは中嶋悟や鈴木亜久里といったOBによるレースで、野球でいうところのマスターズリーグみたいなもんです。車両はユーノスのワンメイクではっきり言ってつまらないなぁ〜と思いましたが、オープンカーの為ヘルメットのカラーリングでドライバーが判別できて結果大正解です。また、ゼッケンも国さんの100番や関谷さんの37番等、当時のレースを考慮したものになっており、よく考えてあるなぁ〜と関心しました。
1コーナー 【画像上】
 スタート直後の1コーナーでは多重クラッシュして足廻りまでイッちゃう者までいて、お遊びレースなのに皆さん大人気ないです(爆)。多分、言い出しっぺの服部尚貴さんはマツダからこっぴどく怒られたのではないでしょうか? ストレートでは国さんの後ろから土屋圭一がぶつけて押したりしてやりたい放題です。そういや、現役の時もハチロクでそれやって禁止技になってたんじゃなかったっけ(笑)


 土曜のレース結果は日曜には逆グリットとして反映されます。当初8ラップで争われる予定が減周になって喜ぶ体力の無い親父までいて超笑えます。レースは高木虎之助のブッチギリで最終ラップまで進むものの、ゴール手前でスローダウンして諸先輩に勝ちを譲り、ジェフ・リースが優勝って憎いぜ高木虎之助! チェッカーを振るのは腰痛で不参加の星野さんで、はっきり言ってメインレースより面白いかもしれません! きっとおいしいトコ持っていかれて寿一はさぞかし悔しがっていたことだろう(笑)


ヴィッツカップ 【画像下】
 ナンバー付き車両のワンメイクで行われるヴィッツカップも行われ、週末レーサーにとってはビックレース前座の晴れ舞台です。ダンロップコーナーの進入ではブレーキが抜けて突っ込んでくる車両もいたりして結構楽しめます。また、土曜、日曜と2日連チャンで表彰台に上る速い女性ドライバーもいました。



マイナーツーリングレース 【画像下】
 メインウィッシュ(byダイゴ)・・じゃなくてディッシュが二つあるイベントとはいえ前菜もちゃんとあります(笑)。マイナーツーリングレースはかつて富士で行なわれた1300ccクラスの車両で争われるレースで、サニーやスターレットが主な参加車両となります。まぁ、いわゆるTSサニーと呼ばれるB310サニーなんかで行なわれるレースです。


110サニー & KP47スターレット 【画像下】
 ヒストリックカーレースとはいえドライバーには景山正美さんや現役GT300ドライバーの谷口信輝く選手もいて楽しませてくれます。個人的にはスターレット(KP47・61)の参加台数が少ないのが残念です。トップカテゴリーのレースも良いですが、こういう古き良き時代の富士を思い出させる演出が泣かせます!


コカコーラコーナー 【画像下】
 コカコーラコーナーでアウトからトリコロールカラーの310サニーが110サニーを被せていきます。でも、310サニーは110サニーより車重が重く不利なので、実際には110サニーとKP47スタ−レットのMT-1と310サニーとKP61スターレットのMT-2にクラス分けされています。MT-1のファステストラップは景山正美選手でMT-2のファステストラップは谷口信輝選手と両クラス共GTドライバーがファステストラップを出しています。


110サニー 【画像下】
 110サニーが大きくテールスライドさせてカウンターを当てています。どうやらスピンは免れたみただけどね! 画像下右47番のグリーンのサニーのドライバーはジェットヘルにレーシングマスクがレトロっぽい雰囲気で、まるで映画「栄光のルマン」のスティーブマックイーンのようです(笑)


オープニングセレモニー 【画像下】
 オープニングセレモニーでは先頭にフォーミュラーニッポンのマシン、その次のスーパーGTのGT500のマシン、その後ろにGT300のマシンが整列しています。フォーミュラーニッポンとスーパーGTが同じグリッドに並んでいるのを見られるなんてスプリントカップ位だろうなぁ・・・グリッドには本山選手も確認できます。



GT300決勝 【画像下】
 スーパーGTの決勝は土曜と日曜に各ドライバーが分かれて、GT500とGT300が混走ではなくそれぞれ個別に行われ、まずGT300クラスからの決勝からです。画像はコカコーラーコーナーでのトミカZとモーラZバトルです。同クラス同マシンの争いだけに白熱した争いが観られます。


ZENT & タイサンポルシェ 【画像上】
 ZENTポルシェRSRとゴールドのカラーリングが特徴的なタイサンポルシェです。しかし、ポルシェってメーカーは凄いね!管理人が子供の頃からあまり形やレイアウトが変わっていないにも係わらずレースではいつも一級の実力もっています。日本と違ってひとつのスタイルをずっと貫いて戦闘力を高めていくことも大変なことです。常にいいものを取り入れていく日本のスタイルもいいですが、少しは日本車もポリシーという点では見習って欲しい部分でもあります。


ジムゲイナーディクセル
ダンロップF430

 GT300クラスの土曜日第1レースと日曜第2レースを制したのはジムゲイナーディクセルダンロップF430の田中哲也と平中克幸です。フェラーリってそんなに速かったっけ?ランボルギーニ程じゃないけどあんまり上位争いに絡んでる印象ないんだけどなぁ〜 何はともあれフェラーリファンには嬉しい完全優勝です!


ハンコックポルシェ & ガヤルド 【画像下】
 景山正美選手が乗るハンコックポルシェです。ハンコックとは韓国のタイヤメーカーですが、土曜日の第1レースでは藤井選手のドライブで3位表彰台に上っていたので性能もいいのでしょう! 画像下左はJLOCのランボルギーニガヤルドでランボは3台出走していました。戦闘力はあまり高くないようですが、スーパーカー世代の管理人としては応援したくなります。その昔、ランボはF1にもエンジン供給してたんだけどね(笑)


M7ムティアラモータース雨宮SGC7 【画像下】
 千葉の富里でロータリーショプを経営する雨さんトコのマシンです。ベースはFD3Sですが、エンジンはコスモに搭載されていた20Bの3ローターエンジンで、スポンサーはマレーシアで日本車の輸入やトラストのパーツを扱っているムティアラモータースだそうです。ドライバーはイカ天出身の谷口信輝と折目寮のコンビです。やっぱこういうプライベーターが頑張ってると嬉しいよね!管理人もFCに乗ってたからGT300クラスでは一番応援しているチームでもあります。


ウェッズスポーツIS350 【画像下左】
 
オープニングセレモニーで挨拶もしていたレーシングプロジェクト坂東の坂東親分トコのマシンです。4ドアセダンの外観とは裏腹にフォーミュラニッポンのエンジンをミッドシップに搭載したバケモノマシンだそうである。ドライバーはかつて船橋港の走り屋だった織戸学と片岡龍也です。
レガシーB4 【画像上右】
 
スーパーGTでは珍しいスバルのレガシーB4ですが第6戦鈴鹿では優勝しています。スプリントカップではあまり活躍しませんでしたが、こういうマイナーな車両も出場していないと盛り上がりません!ドライバーは山野哲也選手と佐々木孝太選手です。


アストンマーチン

 9英国アストンマーチンのヴァンテージとかいうマシンだそうです。V型8気筒4.5リッターの自然吸気エンジンでとてもトルクが太そうです。実際、コーナー立ち上がりやトップスピードは速いみたいですが、コーナーリングスピードは車重が重く辛そうにみえます。実際、シリーズ選でも第3戦の富士以外はノーポイントですから高速コース向きのマシンのようです。ドライバーはベテラン松田秀士選手です。


トミカZ & モーラZ 【画像下】
 
今年度GT300クラスのシリーズチャンピオンのトミカZです。監督は言わずと知れた長谷見正弘監督でトミカ(タカラトミー)のスポンサーも現役時代からずっと変らないよね(笑) ドライバーもかつてのライバルの息子の二世ドライバーというところが面白いです。星野一樹、柳田真孝共に父親は元日産ワークスドライバーだったりします。画像下右はもう一台のZ、アップスタートモーラZです。


 サンダーアジアMT900MとヴィーマックRD408Rとかいうマシンだそうです。この辺になると市販車ベースじゃないので全く分かりません!レギュレーション上も何故参加が認められているのか分からず、スーパーGTの場合は結局ウェイトハンデで性能調整するから何でもアリアリなんですかね?そういや初期の頃の全日本GTカー選手権でもポルシェ962Cが300kgのウェイト乗せて出場してたっけな・・・


ガライヤ & 紫電 【画像下】
 こちらも素性のよく分からないマシンです。ガライヤは一応一般向けの販売を予定してたみたいだけど結局市販されることはなかったみたいです。一方紫電の方もムーンクラフトが公道走行可能なロードゴーイングカーとして開発したにも関わらず市販されておりません。ホモロゲ上はどういう扱いなんですかね? 素人には全く分かりません!



ここからはGT500の決勝ね!

モチュールオーテックGTR 【画像下】
 デビューイヤーの2008年は強かったGTR勢ですが、最近は思うような成績が残せないようです。モチュールオーテックGTRの本山哲とブノア・トレルイエ選手は2008年のシリーズチャンピオンなんだけどねぇ〜 場内の観客を見ても本山ファンと思しき人が一番多いのに今回もいいトコ無しの結果で残念です。


ゼントセルモ SC430

 ゼントセルモ SC430をドライブするのは立川祐路とリチャード・ライアンです。リチャード・ライアン選手は土曜日のレースで優勝しましたが、立川祐路選手は日曜のレースで最下位という結果に終わりまるで逆グリッドのようなリザルトです。でも総合結果としてはエネオスに続く2位となりました。獲得ポイントは同じだったんだけどね(苦笑)


MJクラフトSC430 【画像下左】
 
MJクラフトSC430は大嶋和也と石浦宏明コンビで第3戦富士で優勝しているものの今年度のシリーズランキングは6位でした。スプリントカップでは、日曜のレースでは大嶋選手が終盤の追い上げも届かず惜しくも2位となりました。トップの伊藤選手はどうやらタイヤが厳しかったようで、あと1周あれば優勝できたかもしれません。
カルソニックインパルGTR 【画像上右】
 
カルソニックブルーのマシンは星野監督率いるインパルGTRで、ドライバーは松田次生とロニー・クインタレッリです。スーパーGT唯一の海外遠征の第4戦マレーシアのセパンサーキットでは優勝しており、今回のスプリントカップでは土曜日のレースでロニー・クインタレッリが3位に入っています。


ペトロナス トムス SC430

 昨年はシーリーズチャンピオンだったにも関わらず、最終線でやっと優勝するこが出来ました。小暮選手とバトルの末、なんとかトップを守りきった脇坂選手もレース後、小暮選手に「おまえ凄いなぁ〜」って言ってました。多分、このバトルはGT史上ずっと語り草になる名勝負だったのではないでしょうか?


HIS アドバン コンドーGTR 【画像下】
 今じゃ、タレント業よりもレーシング監督として活躍している近藤真彦さんのチームです。そういやぁ昔はマッチだけに日産マーチでレースに参戦してなかったっけ(笑) その後、F3やF3000、フォーミュラーニッポンにも参戦し、現在は現役引退しチーム監督をしております。ドライバーは安田裕信とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラで開幕戦を勝利で飾っています。


レイブリック HSV-010 【画像下左】
 チーム国光レイブリック HSV-010のドライバーは伊沢拓也と山本尚貴で、国光とは勿論、高橋国光監督のことでゼッケン100番も定番ですよね!この100番はまだ2輪レーサー時代に世界選手権250ccクラスで初めて日本人として優勝した時の番号です。勿論、レジャンドカップのユーノスでもゼッケン100番ですよぉ〜
ウィダーHSV-010 【画像上右】
 ウィダーHSV-010は小暮卓史選手とロイック・デュバル選手とのコンビで今年度のシリーズタイトルを決めましたが、最終戦モテギでの小暮選手のバトルは凄かったなぁ〜 手堅く2位でもチャンピオン決定なのにトップの脇坂寿一選手に果敢にアタックして、見ているチームメイトやスタッフもハラハラもんだったに違いない!事実、デュバルは少し怒っていました。


ケイヒン HSV-010

 ケイヒンとは2輪ユーザーならFCRとかCRキャブレターでお馴染みのあのケイヒンです。ケイヒンというとオートバイ用のキャブレターメーカーというイメージが強いですが、車用の電子制御燃料供給装置を主に造っています。ドライバーは金石年弘と塚越広大で第5戦の菅生で優勝しておりシリーズランキングは2位でした。


デンソーダンロップサードSC430 【画像下】
 デンソーダンロップサードSC430をドライブするのはアンドレ・クートと平手晃平組です。今シーズンはレクサス勢の中では一番パッとしなかったチームではないでしょうか?ウェイトハンデ制もあるのにねぇ〜 ちなみにウェイトハンデは第6戦までは1ポイント当たり2kg、中止になった7戦富士は1kgで最終戦はノーハンデだそうで、成績によっては最大100kgものウェイトハンデが課せられます。


ARTA HSV-010 【画像下左】
 ARTAのHSV-010をドライブするのは井出有治とラルフ・ファーマンです。第6戦で優勝しているものの、その他はあまりパッとしない1年間でした。ホンダはNSXの後継車がないからって、こんな市販車ベースじゃないHSV-010を投入するなんて反則って感じがしなくもないけどね(苦笑)
エプソンHSV-010 【画像上右】
 今シーズンで最もパッとしなかったチームはこのエプソンヨネスケレーシング・・・じゃなくてナカジマレーシングの道上龍と中山友貴でしょう。名門チームなのにどうしたの?って感じでしたが、今年度から投入したHSV-010を煮詰められなかったといったところですかね?


エネオスSC430

 エネオスSC430をドライブするのは伊藤大輔とビヨン・ビルドハイムだそうです。すみませんビヨンさんは知りません。渡辺直美がモノマネしているビヨンセなら分かるんだけどね(苦笑)シリーズ戦では一度も優勝出来ませんでしたが、伊藤大輔選手は日曜のレースで優勝することができて、2レースの獲得ポイントでも総合優勝となりました。


ヘアピン 【画像下】
 ヘアピンをクリヤするコンドーレーシングのGTRです。コンドーレーシングにはHISのスポンサーがついており、シリーズ戦のマレーシアGP観戦ツアーなんかも行っております。また、スーパーGTだけでなくF1の観戦ツアーなんかも企画していますので興味のある方は参加してみるのも面白いかと思います。


公式プログラム 【画像下】
 20年振りに開催された記念すべきJAFグランプリの公式プログラムです。いつの時代も裏表紙の広告はタイヤメーカーが多かったりします。また、数十年後にこの公式プログラムを見ると時代の変化を感じることが出来ると思います。


PM7:00 湾岸

 帰りは渋滞を避ける為GT500のゴール前に撤収です。R246から裏道を駆使して無料化された新湘南バイパスを使用して首都高速横羽線へ、でも湾岸線合流(東海JCT)でAPECの影響による 通行規制を受けてしまいました。規制しているのは和泉ナンバーの大阪府警のパトカーで北は北海道から南は沖縄まで全国から応援に来ているそうです。といったこともありましたが酷い渋滞に巻き込まれること無く7時半には自宅到着となりました。



編集後記

 今回初めて行われたJAFグランプリスーパーGT&フォーミュラニッポン富士スプリントカップ2010ですが、若者の車離れやモータースポーツの人気低下に歯止めをしようとする主催者側の努力を感じることが出来て、とても創意工夫がなされた内容でした。はっきり言って今の国内レースの中では最も楽しめるイベントではないかと思います。まぁ、正直なところ喜んでいるのは管理人をはじめとするオヤジ連中だけという噂もありますが・・・(苦笑) 開催テーマであるモータースポーツの活性化、新たなイベントの提案、ファンへの感謝といった三つのテーマが見事に実現されており、一人の観客としてこのようなイベントを開催してくれた主催者に感謝すると共に、今後もこのようなイベントが続けられることを願っております。最後に、レジェンドカップの発起人服部尚貴さん「あんたはエライ!」よくぞここまで名ドライバーを集めてきたもんだ! マツダさんもこれに懲りずに次回も車両提供宜しくお願い致します。


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