スズキ歴史館(浜松)

 職場の有志の旅行で浜松へ行く機会があったので、スズキ自動車本社前にあるスズキ歴史館を訪れてみました。スズキ歴史館は創業以来の多くの製品(二輪・四輪・船外機等)と現在のクルマづくりの様子を展示している施設になります。入館に関しては無料ですが、駐車場に限りがある為か事前に予約をすることが必要となります。予約に関してはインターネットで行うことができますが、入館時に受付で予約番号を告げる必要があります。それでは、スズキ歴史館の様子をご紹介したいと思います。





スズキ歴史館
 
スズキ歴史館へは東名高速浜松ICから約30分の場所にありますが、駐車場の数にに限りがあるので事前予約制をとっているようです。開館時間は9時からから4時半までの無料の施設になります。ちなみに公共機関では東海道線の高塚駅から徒歩で10分程度になります。

RGγ500

 1階のフロアで出迎えてくれるのは、歴代のスズキレーサーになります。現行の8耐レーサーからフランコ・ウンチーニやグラツィアーノ・ロッシ、ランディ・マモラの1980〜1982年型のRGγ500まで並んでおり、マニア必見の展示内容です。この頃はホイールは18インチのカンパニョーロかダイマグ、キャリパーはロッキードの2ポット・・・ナバのヘルメットも懐かしいです。




 歴代のスズキレーサーの中で管理人が最も好きな1983年型のGS1000Rもあるじゃないか〜! このHBカラーのGS1000Rは世界耐久用でリカルド・ユービンとエルブ・モアノーが乗り、確かその年の8耐も優勝したはず・・・。初代油冷GSX−Rの原型となったのは有名ですね!空冷2バルブながら135PS/1000rpmを発揮したそうな・・・



 
 空冷の8耐レーサーがあれば現行のヨシムラGSX−R1000も・・・2007年の8耐で酒井・徳留・青木が乗ったモデルと2009年に加賀山と秋吉が乗ったマシンみたいです。クランクケースに装着された怪しい部品はもしかて内圧コントロールバルブって奴ですかね?クランクケース内の内圧を逃がしてフリクションを減らしたりエンブレを弱くしたりするのが目的みたいですが、基本的にはただのワンウェイバルブっぽいですね・・・その割にはいい値段するけど



サイン 【画像上】 
 
自分がレーサーやその部品構成をガン見している間に皆さんは一般車を見ていたようで、スパシーダのボンネットには舘ひろし・徳重聡・宮下裕浩・全児憲史の直筆サインが書かれていました。どうやら来館時に書いて貰ったものらしい・・・




モックアップ

 2階では製造過程が展示されており、油令と思われるエンジンのモックアップも展示されています。バイクのエンジンだけでなく、車のモックアップも展示してありますが、何故かキカイダーのように全部半分だけです、これは、半分だけ製作して鏡に映すことにより、一台分を再現するんだそうな・・・てっきり丸々一台を粘土で造るのかとかと思ってた。



鋳造 【画像上】 
 
シリンダーヘッドの鋳造方法も展示してありますね・・・ポート部分を作るために生型の中に砂型の中子を入れます。こんな複雑な形状のモノは普通鋳造でしか製作できませんが、最近はマシンニング技術の進歩によりF1マシンのシリンダーヘッドは削り出しだったりします。まぁ、大量生産には向かないけどね(苦笑)



 その他にはミッションギア切削加工の工程も展示してあります。この辺の部品加工は下請けメーカーの作業だろうけど、部品が出来上がる工程を見るのは勉強になるのともに、今後のカスタム作業の参考になります。



組立工程 【画像上】 
 
モックアップや部品製作工程の次は組立工程になります。実際の組み立てラインを忠実に再現しているみたいですが、可動する機械はごく一部分に限られます。中々、実際の製造ラインを見ることはできないので迫力があります。




鈴木式織機製作所

 3階ではスズキ自動車の製品の歴史が展示してあります。まず出迎えてくれるのは、バイクや自動車を造る前の1909〜1945に製造していた織機です。当時は鈴木式織機製作所という社名でしたが、その当時の製品が残っているなんて凄いです。その後は製造された順番にオートバイや自動車が展示してあります。



 織機の次には、自転車に毛が生えたようなオートバイをはじめ、自動車の製造を開始した初期の頃の車が展示してあります。1955年製のライトや1961年製キャリイFB、1965年製のフロンテFEA−2だそうですが、当然、自分が生まれる前に製造された車両なので記憶にありません。




フロンテ

 スズキと言えば軽自動車ですが、スズキの軽と言えば何と言ってこのフロンテでしょう!1968年式のフロンテ360SSや1971年式のフロンテクーペは親戚が乗っていたので、とっても馴染み深いです。その他にも1971年式のフロンテ71も展示されていました。ちなみに、赤の360SSはイタリアのミラノとナポリ間の走行テストを実際に行ったテスト車両だそうです。
 



T20&T500 【画像上】 
 
車の次はバイクコーナーです。スズキのバイクと言えば2ストロークで空冷2気筒の1965年式のT20や1968年式のT500が展示してあります。まだ、暴走族と呼ばれる前のカミナリ族の時代のバイクたちで自分には馴染みがありません。



GTシリーズ 【画像上】 
 
スズキの2ストのバイクと言えば何と言ってもGTシリーズでしょう!750は水冷ですが380は空冷です。特にヘッドを冷やすラムエアーシステムが特徴的です。カワサキのマッハやKHは3本出しマフラーですが、GTは同じ3気筒でも4本出しだったりします。




ロータリー

 うぉ〜 幻の? RE−5があるじゃないか! 実車を見るのは初めてかも・・・こいつは知る人ぞ知るロータリーエンジンのバイクです。1974年式とのことですが、調べてみるとサイドポートではなくペリフェラルポートとのこと! メーターのデザインも当時としては近未来的で、最先端をいっていたと思います。当時の価格もきになりますが、一体何台売れたんですかね。



GS400 【画像上】
 
この辺からは馴染みの深いバイクが並んできます。今では旧車會の御用達となってしまった1976年製のGS400・・・昔は、石を投げればGSに当たる!って位よく売れたんだよ〜 この頃のスズキはメーターのギアポジションインジケーターが装備されているのが特徴的でした。



 大型中型だけでなく小排気量クラスもちゃ〜んと展示してあります。1974年生のRV125(通称:バンバン125)や1977製のマメタン50!・特にこのグリーンのマメタンはアメリカンのようなポジションにテールカウルが付いて50にしては格好良かったイメージがあります。



ファミリーバイク 【画像上】
 
この頃にホンダのロードパルを皮切りに普及したファミリーバイク! 昔の人だと未だにラッタッタと呼んでいる方もいるかと思いますが、スズキも時代の波に乗ってスージーや
ユーディーミニを発売しました。まだ、スクータータイプが流行る前のモデルです。



アルト 【画像上】
 
アルト47万円のフレーズで大ヒットした1979年製の初代アルトもあるじゃないか〜 なんでも開発時は45万円を目指していたそうですが、達成できなかったもの大ヒット商品になりセカンドカーの先駆けとなりました。その他にも、特別仕様車の麻美スペシャル(1985年製)もあります。



 個人的に大好きなGS750E(1978年製)もありました。この頃のスズキのGSシリーズは、初期モデルがスポークホイールで、スズキ独特の星型キャストホイールが装着されると車名の最後にEが付きました。その他には、750はスポークホイールモデルだシングルディスク、キャストモデルはダブルディスクでした。



 西部警察のクラッシュシーンで良く使われたGS650Gも確認できますな・・・何故か転倒すると1000カタナ(確か1100じゃなっかた気が・・・)がGS650Gに変身しちゃうんだよね(苦笑)ちなみ車名の最後にEじゃなくてGが付くとシャフトモデルでした。その他には、この頃に各社発売したターボモデルXN85も確認できますね!車名は85馬力だったから・・・という今じゃ考えられない理由から銘銘されました。




 1986年製RB50(通称GAG)もありますね!この頃はミニレーサーモデルが流行った時期でもありました。そんな、レプリカブームの火付け役初期型RG250γもありますね! アルミフレームにフルカウルとセパハン、ミシュランタイヤまで装着され、こんなの売っていいのか?と驚かせたモデルでした。そして、最も衝撃的だった初期型油令GSX−R・・・もはやこいつはレプリカではなくレーサーそのものでしたね!



RGV500γ

 ペプシカラーのゼッケン34番のRGV500γはケビン・シュワンツのマシンですね!ゼッケン34はシュワンツのトレードマークで、この1988年製のマシンでスズキのロードレース世界選手権第1戦日本GPでスズキの復帰後の初優勝をもたらしました。市販車のRGV250γにも確かペプシカラーの限定車があったよな・・・ってこの頃には、熾烈なレプリカブームに自分は冷めていたけどね(苦笑)




編集後記

 さて、今回紹介したスズキ歴史館は如何だったでしょうか?モテギのホンダ・コレクションホールは他社の車両も展示してありますが、流石に本社前の歴史館ということで、スズキ車オンリーしか展示してありませんでした。普通に考えれば他社製品を展示するホンダか寛大なのだが・・・。閉館時間が4時半ということで、ゆっくり見る時間がなかったのが残念ですが、スズキファンでなくても十分楽しめる展示内容かと思います。スズキ自動車以外にも、企業のPR館は色々あるようなので皆さんも、機会があれば是非立ち寄られてみては如何でしょうか。















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