2014エアーパーク(浜松)

 昨年に職場の有志旅行で航空自衛隊浜松基地内にある浜松広報館(通称エアーパーク浜松)へ行ってきたので、その模様をご紹介したいと思います。この広報館は航空自衛隊を日本国民により多く理解してもらうことを目的として1999年にオープンした施設で、館内には退役した戦闘機や練習機、ヘリコプターや装備品等が多数展示されているだけでなく、航空自衛隊のパイロットが使用しているフライトスーツ及びヘルメット等の体験試着の他、フライトシミュレーターの体験もできる航空自衛隊初の博物館形式の無料施設になります。





エアーパーク
 浜松広報館は航空自衛隊浜松基地の南側に位置し、北側には浜松基地の滑走路を目の前にすることができます。アクセスとしては浜松西インターから10分程度と利便性もよく駐車場も完備されていることから訪れ易いかと思います。

F−86F

 まず、入り口で出迎えてくれるのはノースアメリカンF−86Fセイバーのブルーインパルス仕様になります。ブルーインパルス発足初代の機体になり、1963年東京オリンピックでは大空に五輪のマークを描いたことで有名ですね! 映画「三丁目の夕日」でも登場していたので覚えている方もいるかと思います。ちなみに三菱重工業がライセンス生産した機体になります。






F1支援戦闘機

 F1支援戦闘機はT2練習機を基に三菱重工が製作した戦後初の純国産戦闘機になり、搭載されているIHI TF40-IHI-801Aエンジンも展示されています主翼下や機体底部に取り付けられている砲弾状のモノは爆弾と勘違いされている方が多いですが、増槽たの燃料タンクになり、使い終わったら投棄することが可能だったりします。 


F104J

 鉛筆みたな形状のF104Jはロッキード社が開発した超音速ジェット戦闘機を三菱重工がライセンス生産した機体でになります。通常航空機の燃料は強度上有利なため、揚力が発生する翼に積んでいますが、あまりにも薄くて小さな翼の為、胴体にしか燃料タンクを配置することができなくなったお馬鹿な戦闘機だったりします。



T−2ブルー

 T−2ブルーインパルスの前にて隊員全員で記念撮影です・・・って、全員職場の仲間になります。広報館の格納庫ではフライトスーツの無料貸し出しをしており、フライトスーツを着てコックピットに座り写真を撮ることができます。しかも、ヘルメットやブーツまで貸してくれるなんて芸が細かいです。
T−2ブルー 【画像上】 
 
2代目ブルーインパルスT―2は三菱重工が開発した純国産の高等練習機になります。実はこのT−2ブルーは浜松基地の航空祭で下向き空中開花で引き起こしが遅れ墜落事故を起こしています。それと同じ機体を展示しているなんて皮肉なもんです



T−4シミュレーター

 我等が川ア重工業のT−4シミュレーターもありますが、これは予約制になっており、格納庫内にあるシミュレーター前で事前に予約する必要があります。今回は時間の関係で残念ながら体験することができませんでしたが、もし、体験したい場合は来館したらすぐに予約することをお勧めします。1人15分程度は掛かるようなので1日の体験可能な人数は限られています。



F−86D 【画像上】 
 
ブルーインパルスにも使われているノースアメリカンF−86セイバーの派生型、全天候型戦闘機になります。しかし、こいつはF−86Fと異なり国内でライセンス生産されたものではありません。ほとんどの機体が在日米軍が不要になった中古機を日本の航空自衛隊が譲り受けたものだそうです。



ジェット練習機 【画像上】 
 
T−33はロッキード社の復座型ジェット練習機になります。現代の後退翼と異なり直線翼が特徴的です。DH115バンパイヤはイギリスのデ・ハビランド社が開発してジェット戦闘機で、国産ジェット練習機の開発用として購入され日本でただ一機しかないそうです。




 格納庫の天井には52型零式艦上戦闘機や複葉機がぶら下がっています。ひと口に零戦といっても12型から54型まで色々な種類があるそうです。自分はみんな一緒かと思った。しかし、ここに吊るされているのは本物なんですかね?アメリカじゃ動態保存された零戦があるみたいだけど、日本に実動する機体がないと言うのも残念ですね!



救難機 【画像上】 
 
黄色い機体は救難機で機関車トーマスにでているみたいなやつはシコルスキー社H19Cを三菱重工がノックダウン製作した機体です。S62Jもシコルスキー社製を同様にノックダウン生産したものになります。MU−2は三菱重工が製造したビジネス機を救難捜索機として転用したものです。




V−107&T−6

 航空自衛隊の救難ヘリV−107も展示してあり、こいつは川崎重工業がノックダウン生産(部品を輸入して国内で組み立て)した機体になります。ちなみにエンジンは石川島播磨重工業製です。黄色い機体のノースアメリカン製T−6は米軍より供与された機体で以降教育を主体に救難捜索機としても使用されたそうです。



T−1A&B−65 【画像上】
 T−1Aは富士重工が開発した国産ジェット練習機でプロペラ機での初等訓練の後に使用する練習機になります。ビーチクラフト社の双発機B−65は多発機パイロットの訓練用として使われた機体で、退役まで連絡・人員輸送機としても使われました。



 館内には実機だけでなく各種装備品なども展示されています。面白いところでは廊下に設けられた休憩用のいす・・・これは、政府専用機で使われていたものだそうです。ちなみに、現在2機のB747政府専用機が千歳に配備されていますが、JALとANAが747全機退役させてしまった為。メンテナンスができなくなる為、B777に更新するそうです。



ブルーインパルス 【画像上】
 
ここ浜松はブルーインパルスの発祥の地ということからかブルーインパルスの装備品も展示してあります。真っ青なパイロットスーツとヘルメット・・・ブルーファンなら泣いて喜ぶかもしれませんな(苦笑)



 館内には航空機の装備品だけでなく対空機関砲VADSも展示されていました。航空機に関する博物館なのに、打ち落とす為の銃器を展示しているなんて皮肉なもんだ・・・勿論、戦闘機に搭載するミサイルも多数展示されています。




 F1支援戦闘機のカットモデルも展示してあります。通常、胴体や翼の上部に装着されていることが多いスピードブレーキですが、F1は胴体下に装着されています。また、機体後方底部にはアレスティングフックが装着されていますが、日本には空母がないのでいらないはずですが、滑走路をオーバーランしたときの安全策として、滑走路端にはアレスティングワイヤーが張られているため装備されています。



XF−2A/B 【画像上】
 
F2支援戦闘機の開発用機体XF−2A/Bのモックアップも展示されています。このXF−2A/Bは航空自衛隊岐阜基地の飛行開発実験団でF−2の開発用研究用として造られた機体です。まぁ、見れば解りますがF−16の改良型ですな・・・



C−46D&H−21B 【画像上】
 
格納庫だけでなく屋外にはC−46DやらH−21Bヘリが展示されています。なんでもC−46は史上最大のレシプロエンジンの双発機だそうです。H−21Bヘリは機体後方が上方に折れ曲がっている姿から空飛ぶバナナといあだながあるんだって



 機体以外にもレーダーや地対空誘導弾ナイキJも屋外に展示してあります。ナイキJは高高度迎撃用地対空ミサイルで高々度から飛来するソビエトの爆撃機に対する拠点防空を主目的した兵器だそうです。ということで、屋外展示物は寒いのでさらり見学して終了!




編集後記

 今回、初めて浜松基地の航空自衛隊広報館エアーパークを訪れてみましたが、中々楽しめる内容でした。時間があれば、T−4シミュレーターも体験してみたかったのですが残念でした。しかも、入館無料というのが嬉しいじゃありませんか。一時期、事業仕分けで試験的に有料の時期もあったみたいですが、来客数が激減して無料に戻したそうです。個人的には有料でも訪れる価値はあると思いますが、地元の方やマニア以外のリピーターを呼び込むには無料じゃないと難しいのだろう・・・。個人的にはもう一度ゆっくり見学したい気もしますが、、機会があれば皆さんも一度足を運んではみては如何でしょうか?















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