リニア・鉄道館(夢と思い出のミュージアム)

 以前にJR東海のリニア・鉄道館を訪れた時の模様をご紹介したいと思います。リニア・鉄道館は東海道新幹線を中心に、在来線から次世代の超伝導リニアまで展示した高速鉄道技術の進歩を紹介した施設です。管理人は特に「鉄っちゃん」という訳ではありませんが、やはり速いものに共通するスタイルや機能美、技術といったものに魅力を感じてしまいます。館内には管理人が生まれる前からある夢の超特急と言われた初代0系をはじめ、つい最近まで現役だった300系や100系まで歴代新幹線の車両が展示されており、子供だけでなく大人も楽しめる施設となっております。




あおなみ線

 リニア・鉄道館は名古屋駅から「あおなみ線」で約24分、終点の金城ふ頭駅前にあります。この「あおなみ線」はてっきりJRの路線のひとつかと思っていたら、名古屋中心部と名古屋南西部の港湾地区を結ぶ第三セクターの路線だそうです。市街地を走る路線ではないためかとても空いており、乗り降りする客もまばらです。終点の金城ふ頭駅手前では車窓から伊勢湾岸自動車道のブリッジを見ることができます。



リニア・鉄道館 【画像上】
 
さて、金城ふ頭駅から歩くこと約2分のところにリニア・鉄道館はあります。入館料はというと大人1000円、子供500円で、取り敢えず入館したら速攻で飯にすることにします。本当は名古屋駅で「きしめん」か「味噌カツ」、または「えびふりゃー」でも食いたかったのですが、昼時で、どえらい混んでいたのでパスして食わずに来ました。でもリニア・鉄道館に食堂は無いので駅弁コーナーで味噌カツ弁当を食べることに(笑)



歴代新幹線 【画像上】
 
手渡された資料によると新幹線や在来線の運転シミレーターが体験できるみたいですが、抽選だしオタクじゃないので一人でやってもつまらないのでパスすることにします。でも、リニアの体験搭乗は抽選じゃないので搭乗してみましたが、車輪から浮上走行に移る感覚まで再現されているのには関心しました。



0系新幹線 【画像上】
 
初代新幹線0系! しかも、カワサキワールドに展示してあるのと異なり1964年開業当時に使われていたものと同じド初期のタイプ! やっぱ0系はこれだよなぁ〜 車内のシートもちゃんと初期型が装備されているし、2両目には博多開業に合わせて造られた食堂車も連結されています。



100系新幹線 【画像下】
 
2代目100系! 0系の老朽化により開発された車両で、デザイン的には0系を性感・・・じゃなくて精悍にしたマスクになっています。しかし、営業運転は220q/h と0系と比較して10q/hしか変らず大幅な高速化は計られておりません。そのため、その後の「のぞみ」の登場によりダイヤから消えていくことになります。

2階建て車両

 100系の特徴は何と言っても新幹線初の2階建て車両です。展望の良い2階部分には食堂やグリーン席を配置し、1階部分には厨房や個室が配置されました。速さとは別に歴代の新幹線の中で最も豪華だったのがこの100系かもしれません。逆に速くなった為にこれらの装備が不要になったとも言えます。



300系新幹線

 3代目300系! なんだか「スケバン刑事」みたいなフレーズになってきたな・・・汗 しかも、先頭車両は鉄仮面みたいだし・・・ってスケバン刑事の鉄仮面は2代目だけどね(苦笑) この300系は初の「のぞみ」用の車両として開発され個人的には一番スタイルが好きなのですが、トンネル内では700系と比較して著しく乗り心地が悪いです・・・ヨーイングというか、空力の違いのせいか横揺れが非常に大きいんだよね(汗)



ドクターイエロー

 ドクターイエロー、めったに見ることができないことから別名「幸せの黄色い新幹線」とも呼ばれているらしいが、正式には「新幹線電気軌道総合試験車」と言うのだそうです。線路や架線、信号の状態を確認しながら走ることから「新幹線のお医者さん」とも言われていますが、現在は270km/h走行が可能な700系をベースに開発された試験車両に変更されております。



キハ181系

 電化される前の「しなの」に使用されていたキハ181系の気動車も展示してあます。「しなの」は名古屋と長野を結ぶ中央西線と篠ノ井線を走る特急列車です。マニアじゃない管理人には、後にご紹介するキハ82系気動車とドコが違うの?って感じですが、非力なキハ80系の動力(180PS)では山岳地帯で使用するには走行性能が確保できないため、動力強化(500PS)を図った車両がキハ181だそうである。



381系

 次は電化された後に使用されていた381系「しなの」です。この車両は一見すると183系の特急型車両のように見えますが、急カーブの多い山岳地帯を走る為の工夫がなされています。振子式と言ってカーブで車体を傾けることにより速度向上を図っており、外観では屋根にクーラーが無いのと、車内ではブラインドが2重ガラスの間に設けられているのが特徴です。


クロ381系 【画像下左】
 
クロ381系車両はサロ381系車両を改造して展望を良くした車両で、長野方面の先頭車両は従来のクハ381からクロ381へと全て変更されました。ちなみにカタカナの「ク」は先頭車両を「ロ」はグリーン車という意味なので、「クロ」はパノラマ先頭車両といったところでしょうか? ちなみに現在はステンレスボディーの383系「ワイドビューしなの」に世代交代されています。
キハ82系 【画像上右】
 
先ほど紹介したキハ181系のベースとなった車両がキハ82系になります。このキハ82系は、特急形気動車として日本国有鉄道(通称:国鉄)が開発したキハ80系を改良したもので、先述のキハ181系が登場するまで大幅な走行性能の改善はされなかったものの、そのデザインは高く評価され全国各地で活躍しました。


165系 【画像上】
 
165系は管理人も信越本線で大変お世話になりました。(正確には碓氷峠におけるEF63との協調運転を可能とした169系だけど・・・)最近は特急(特別急行の略)ばっかりで急行自体が無いけど(なら全部急行でいいじゃん!)ボックスシートに窓が開く構造は窓越しに駅弁買ったりして風情があったよね!


キハ48000 【画像下左】
 
【画像下左】のキハ48000気動車は複数の動力車両をひとつの運転台で制御できるようにした車両だそうである。今となっては当たり前ですが、当事は一両編成が普通だったので複数車両の連結運転は輸送力向上に貢献しました。この辺の技術は機関車(牽引車)が主流の海外じゃあまり関係ないかな(苦笑)
オヤ31系 【画像上右】
 
【画像上右】のハリネズミのような車両は建築限界測定用試験車といって建築限界内の建造物にこのハリネズミのハリみたいのが触れるとパタンと倒れて、障害物を計測する仕組みになっています。管理人も子供の頃に図鑑で見た記憶がありますが実物を見るのは初めてです。


ED11 & C57 【画像上】
 
【画像上左】のED11は日本製ではなくアメリカのゼネラル・エレクトリックで製造された機関車だそうである。【画像上右】は旅客用蒸気機関車のC57で、お召列車(おめし列車)にも使用されたことがあるそうです。お召列車とは(おしめ列車ではない・・・)天皇陛下等の皇族の方が使う特別列車のことである。


 【画像上左】のモハ1 は国鉄の前身の鉄道省(なんか中国みたいだな・・・)が製作した木製の電車だそうで、【画像上右】のモハ52は京阪神で活躍した急行列車だそうで流線型のデザインが特徴的である・・・でも、はっきり言って古すぎて解らんな(汗) 【画像左】は国鉄バスの1号車だそうで日本に現存する最古のものだそうである。昨年の東京モーターショーで見たスミダのM型バスに似てるな・・・



展示物

 展示物は車両だけでなく行き先表示板やヘッドマーク、制服も展示されています。【画像上右】は切符(当事は現在と異なり硬券だった)に行き先や日付を印刷する機械です。そしてこの手の施設のお約束の展示物と言えば鉄道ジオラマでしょう!ということでHOゲージ車両が走っていますが、関東と異なり走行車両も関西系のものが走っており、京都・奈良の寺院もしっかり再現されています。



 暗闇に3両の車両がライトアップされています。左にC62、真ん中には新幹線の試験電車300X、一番右は超伝導リニアだそうで、それぞれの時代において最速を誇った車両たちになります。ちなみに300Xは443km/h、超伝導リニアは581km/hを記録しています。



新快速

 屋外に展示してあるのは117系の新快速電車(117クーペではない・・・そりゃいすゞだ!)で関西圏において活躍していた車両です。この車両は車内開放されており車内でお弁当を食べる家族連れも見受けられました。しかし、地域によって車両のデザインや色、シートアレンジって違うもんだね! 国鉄時代は殆ど全国共通だったような気がするけど、関東にゃ快速はあっても新快速はないから関西圏独自の車両のようです。




編集後記

 今回も思いつきでフラリと立ち寄ったリニア・鉄道館ですが、歴代の新幹線を前にとても懐かしい気持ちになりました。0系新幹線と言えば、やはり管理人にとって一番の思い出は中学の修学旅行で京都・奈良へ行った時になります。100系や300系は出張や旅行の時に世話になったのがつい最近のようにも思いますが、今ではその勇姿を見ることはできません。かつて最速を誇った500系も、山陽区間のみの運行となり東海道路線では見ることができず、最新と思われた700系もN700系に主役を奪われつつあり、時代の移り変わりの早さを感じます。しかし、どんなに時代が変わっても、新型車両に世代交代しても、新幹線は我々の憧れの存在であり続けることに変りはないのだろう。











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