海上自衛隊基地訪問記(佐世保地方隊)

 以前に海上自衛隊の佐世保地方隊を訪れた時の模様をご紹介したいと思います。海上自衛隊の基地といえば昨年に
下総航空基地を訪れましたが、海上基地は横須賀基地を訪れて以来となります(横須賀探検記を参照)。佐世保は横須賀同様に海上自衛隊だけでなく、アメリカ海軍第7艦隊の基地もあるため異国情緒に溢れており、アメリカの雰囲気が漂う街でもあります。また、佐世保地方隊の護衛艦は、訓練や任務のある時を除き毎週のように土曜・日曜日に一般公開しており、甲板のみになりますが実物の護衛艦に乗船することが出来ます。



佐世保地方隊 【画像下】
 
佐世保地方隊はJR佐世保駅から歩いて15分ほどのところにあり、佐世保駅の観光案内所では公開情報や基地まで道のりを親切に教えてくれます。また、観光地図にてその他の観光情報や帰りの交通機関(高速バス等)の案内もしてくれて大変便利です。
 佐世保地方隊の入口では記帳したら簡単な持ち物検査を受け管理番号のついたタグを渡されます。その後、護衛艦に向かいますが、一般的な基地祭と異なり毎週のように公開している為か閑散としておりゆっくり見学することが出来ます。


 
 地図を手に案内された方向に向かって歩いていくと左手には海上保安庁の船が見えます。よく、海上自衛隊と海上保安庁を同じと勘違いしている方もおられるようですが全く別の組織です。でも、海保と海自の基地って隣り合わせになっていることって結構多いんだよなぁ〜 海保の船の向かいには海自の船が係留されており、海保の真っ白な船体と異なりグレーの船体が対照的です。


 突き当たりの岸壁まで来ると目的の護衛艦が見えてきました。右手に見える船体番号132の護衛艦が「あさゆき」で、左手の船体番号128の護衛艦が「はるゆき」になります。なお、一般公開日は佐世保地方隊のホームページで確認することが出来ます。


 しかし、護衛艦は近くで見ると迫力あるなぁ〜 海上から遠目で見たことはあっても間近で見るのは初めてです。巨大なグレーの船体はある意味不気味にも感じます。


 巨大な船体を横目に見ながら船尾方向へ歩いていくと桟橋で乗組員の隊員が出迎えてくれました。管理人を案内してくれたのはイージス艦にも乗務していた経験がある若い隊員で、本来なら若い娘の方が良かったろうに、おっさんの相手をさせてしまってごめんね〜 ごめんね〜(by U字工事)


 画像はRUR-5アスロックという8連装の対潜用の魚雷だそうです。魚雷というと水中で発射するものだと思っていましたが、こいつは短魚雷の後方にロケットが取り付けられており、マッハ1の速度で飛んで行き標的の手前でパラシュートにて減速落下して、その後水中を自動追尾して攻撃するのだそうです。確かに、この方法だと射程距離も伸びるし到達時間も短縮されるため、標的から迎撃されたり回避されることが難しくなるので理にかなった兵器だと思います。


 船首近くにある76mmコンパクト砲です。砲身長は4.7mで毎分80発を発射する能力があり、初速は925m/sec・・・ということは約マッハ2.7(約3,330km/h)、射程距離は16kmだそうです。砲弾の重さは約13kgで展示してある砲弾(展示用?)は実際に持たせて貰うことが出来ました。この速射砲は元来イタリアで開発されたものみたいですが、海自で使われているものは日本製鋼所でライセンス生産されたものだそうです。


ファランクス 【画像下左】
 
近接防火器システムのファランクスで、毎分3000〜4500発を発射する能力がある6砲身のバルカン砲です。有効射程距離は3.6kmだそうで艦橋両側に装備されています。
68式対潜短魚雷3連装 【画像上右】
 
先ほどのRUR-5アスロックと異なり、空中を飛んでいくのではなく甲板からポトっと海に落っこちて、目標まで海中を進んで攻撃するタイプの魚雷だそうです。発射の様子はアスロックとは異なり少しなさけないって隊員の方が言っていました(苦笑)


ハープーンミサイル

 艦対艦ミサイルのハープーンミサイルです。艦対潜用の魚雷が潜水艦を攻撃ターゲットとしているのに対して、こちらは艦船を攻撃するためのミサイルです。動力はターボジェットエンジンを搭載しており、画像の発射機から発射された後、空中で翼が展開されるそうである。また、発射直後の初速を上げるためにロケットブースターを装備しているそうで目標へは慣性誘導により誘導を行います。


はるゆき 【画像上】
 
護衛艦「はるゆき」は排水量2,994トン、全長130m、全幅13.6mの護衛艦で、動力は川崎ロールス・ロイスのガスタービンエンジンを2機搭載し、出力は45,000馬力の2軸推進の艦船で、最大速度は29.6ノット(約54km/h)、乗員は約200名だそうである。


シースパロー

 船尾の方に移動すると艦対空ミサイルのシースパローが装備されています。船尾の日章旗がいかにも海自って感じがするね(笑) 元来は空対空のスパローを元に艦対空ミサイルとして開発されたのでシースパローというネーミングになったようです。射程距離は26km、飛躍速度はマッハ4なのでロックオンされたら戦闘機であれ逃げ切ることは難しいかもしれません。


 さて、すっかり堪能したので案内してくれた隊員にお礼を言って下船します。う〜ん、やっぱりマジマジと見るとデカイなぁ〜 こうやって装備を振り返ってみると対潜・対艦・対空とあらゆる敵から守るための兵装が備わっていることが解ります。


空母

 艦内の見学も終えたので「あさくさ」が係留されている岸壁へと向かいます。対岸のアメリカ海軍の基地には巨大な空母が確認できます・・・ジョージ・ワシントンだろうか? それともロナルド・レーガンか・・・どっちにしろ遠目でしか見ることはできません。その後は庁舎の売店で海自グッズを物色して佐世保地方隊を後にします。海保の敷地内では音楽隊の子供たちが練習に励んでいました。


佐世保バーガー 【画像下】
 
佐世保史料館近くのハンバーガーショップです。横須賀のネイビーバーガー同様にアメリカ文化が根付いているようです。【画像下左】のハンバーガーショップヒカリは学生向けのジャンボバーガー発祥の店で、隣の【画像下右】のログキット本店には石ちゃんの写真が飾られていました。でも、並ぶのが嫌いな管理人は悩んだ末に素通りすることにしました。


佐世保史料館 【画像下】
 
佐世保史料館は佐世保基地とは駅を挟んで反対側にあり結構遠いです。基地から歩いたら40分くらい掛かっただろうか(汗) 館内は戦艦の模型や海軍の歴史について展示されていますが残念ながら撮影禁止だそうです。取り敢えず訪れた記念にパッチを購入しましたが使い道はなさそうだな(苦笑)



編集後記

 今回、思いつきで立ち寄った佐世保ですが、思いの外に楽しむことが出来ました。はっきり言って「軍港と造船の街だから行けば何かあるだろう!」くらいの軽い気持ちでフラリと訪れたのに、まさか護衛艦に乗れるとは思ってもいませんでした。また、基地内の売店では海上自衛隊グッズも販売しており、Tシャツやパッチなんかも購入することが出来るので、マニア以外の方でも楽しめるのではと思います。当然、お国の施設ですから見学するのにお金なんて取られませんしね(笑) 唯一の心残りは佐世保バーガーを食べられなかったことで、もし、また行く機会があればリベンジしたいと思います。









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