東京オートサロン1992 &1993(晴海)

 1992年と1993年に晴海の東京国際見本市会場で行われた東京オートサロンの模様をご紹介したいと思います。この東京オートサロンの前身はエキサイティングカーショーであり、当時は走り屋系チューニング車両の絶頂期で各ショップ共にこの日の為に競ってデモカーを製作してたりしました。現在のオートサロンはドレスアップ的なモノが主流になってしまいましたが、この頃は99%走り屋系車両で占められていました。現在、名古屋で開催されているエキサイティングカーショーは、そんなドレスアップ車両に反発するようにかつて行われていた本物のチューニングカーショーとして開催されています。



ヴェイルサイド32GTR 【画像下】
 チュニングカーというと油臭い無骨なイメージがありますが、ヴェイルサイドの造る車両は改造車というよりは高級感溢れるお洒落な特得な雰囲気を持ち合わせていました。このGTRも革張りと思われる内装からチューニングカーにも拘わらず、高級車(価格は高級車並みだろうが・・・)のような上品な雰囲気があります。


マインズGTR & ZEEK32Z 【画像下】
 コンピューターのロムチューンで有名なマインズもGTRを展示していました。マインズの車両は独特のボディラインが入れられチューニングカーとしてはいつも爽やかイメージで仕上げてあります。ZEEKの32Zはまるでレイトンハウスのようなカラーリングですが、ミニスカのパニオンも当時の雰囲気がいいです。


FC3S  【画像下】
 純正のリトラクタブルを廃止して丸目4灯化したFCです。装着されているパーツからするとRE雨宮で製作された車両と思われます。リアウィングがR32のGTRタイプのモノが装着されていますが、この当時としては新しかったかな(苦笑) 当然、まだGTウィングなるものはありませんでした。


土屋圭一&ブリッツZ32  【画像下】
 元祖走り屋出身のレーサーの土屋圭一大先生も当然来ています。【画像下右】の派手なZ32はブリッツのボンネビル用のマシンです。この頃になるとチューニングレベルも高くなり矢田部のテストコースじゃ役不足となって海外まで遠征したりしていました。業界自体も盛り上がっていて資金もあった時代でした。


RSヤマモト  【画像下】
 RSヤマモトの青いZ32もボンネビル用のマシンです。ソルトレイクは標高が高く日本とはセッティングが異なり随分苦労していたようですが、確かクラスレコードを樹立したんじゃないかと思います。でもボンネに挑戦したのは江戸川区にあったTBOが稲田大治郎のドライブで130ZのL型ターボを走らせたのが最初じゃなかったっけ?


RE雨宮グレッディT  【画像下】
 一番最初に造ったグレッディTです。実は雨さんがこのグレッディTで早朝の都内を走っているのを見たことがあります。足回りのセッティングには苦労したようなので想像するに首都高帰りだったと思われます。エンジンは13Bに三菱TD05ツインターボでドアのインテークダクトがケーニッヒっぽいです。


RE雨宮グレッディU

 ポルシェ928を思い出させるような真っ白なボディに丸目リトラクタブルライトのFC3SはグレディUです。エンジンは13Bに三菱TD07のシングルタービンで、使われるタービンにも時代が感じられます。この頃は三菱のTDシリーズやIHI、ギャレットのTO4なんかがよく使われてたっけ


RE雨宮グレッディV 【画像下】
 ガルウィングの真っ赤なFC3SはRE雨宮のグレッディVですなぁ〜 エンジンはコスモの20B3ローターエンジンをベースに三菱TD06ツインターボって外観に劣らずハードなチューニング内容です。ここまでくると和製ケーニッヒの域に達しているかと思える仕上がりです。


RE雨宮 【画像下】
 
当然、これだけの車両が展示してあればロータリーの神様雨さんも来ています。青いFC3Sはレース車両のようですが、1995年より全日本GT選手権に参戦してきたRE雨宮ですが、残念ながら本年度からスーパーGTから撤退しております。ロータリーの火を消さないためにも、マツダさんにもっと協力して貰いたいもんです。


FC3S & MID NIGHT 130Z 【画像下】
 赤いFCのボンネットに貼られてるFORTISって確かトラストから発売していたエンジンオイルのブランドじゃなかったっけかなぁ〜 かたやTBOがボンネで走らせた130Zみたいですが、フロントウィンドウのMID NIGHTのステッカーからすると湾岸をテリトリーにした走り屋チームの車両みたいです。



 さてここからは1993年の東京オートサロンの模様ですが、当時のチケットを見ると東京レーシングカーショーも同時開催されております。調べてみると東京レーシングカーショーは1968年から開催されている歴史あるイベントで、オートサロンの前身のエキサイティングカーショーの更に前身となるイベントのようです。それでは1993年の東京オートサロンにいってみようかぁ〜



トラストBNR32

 HKSと並んでチューニング業界の大御所、トラストもBNR32のデモ車を展示しております。最もチューニングカーの活気があった時代かな、このときはミニバンやハイブリットカーが主流なって、若者の車離れの時代が来るなんてこの盛況さからは想像出来ませんでした。ましてや倒産するとまでは・・・他にもアペックスや大森メーターetc


ヴェイルサイド  【画像下】
 
ヴェイルサイドも黄色いワイドボディとゴールドのBNR32を展示していました。まだ、この頃はまだ80スープラがデビューする前だったかな? ヴェイルサイドはこの後デビューする80スープラにも力を入れており、リアスポイラーは縄文式土器かトナカイの角のようになってったっけ(苦笑)


オプションFD3S

 この真っ赤なFDはオプション誌がマカオグランプリを走らせたやつじゃなかったっけかな? 確かドライバーは編集部員の松村で4位かなんかに入賞していたような・・・車両製作はJUNオートメカニック小山さんが担当していた気がするのですが違っていたらゴメンナサイ(苦笑)


藤田エンジニアリングFC3S  【画像下】
 真っ赤なFCは大阪の藤田エンジニアリングですね!FEEDのブランドでパーツをリリースしており、西日本のロータリーエンジンのチューニングでは有名な所です。当時FCのマフラーはどこも2本出しが多かったのですが、藤田エンジニアリングのは大口径のシングル出しで迫力があった記憶があります。


RE雨宮

 緑のFDはRE SuperG7かな? ピンクと青のRE SuperGカラーはレース車両のようですが、この頃はまだ参戦してなかったはず・・・青い928タイプのライトのFC3SはAMKREAD RX-7ですかね? タービンはIHIのRHC7を装着しているみたいで、この頃になるとIHI製のタービンも使われるようになりました。最も有名なのはRX-6通称F1タービンかな(笑)


JZA70スープラ

 う〜ん 凄い色のスープラだな(苦笑) 確か当時はFCを潰してJZA70スープラに乗ってたんじゃなかったっけかな・・・この時はスープラに付けるマフラーを物色しており、アッペクスだのフジツボだの実車を見ながら検討してたっけ(笑) 結局、出口が大口径のφ120もあるRSRインビディアのステンマフラーにしたんだよなぁ〜


ミッドナイトポルシェ & FEED FCカブリオ 【画像下】
 ミッドナイトのポルシェだぁ〜 ミッドナイトというと漫画「湾岸ミッドナイト」に出てくるブラックバードの黒いポルシェを思い浮かべるけど、実在する最高速ランナーの集団! かたやFEEDのFC3Sカブリオレはオートマチックでデート仕様といったところでしょうか(笑)



中嶋悟&長谷見  【画像下】
 さて会場を別館に移して東京レーシングカーショーの模様です。チューニングカー専門のオートサロンと異なり国内の有名レーサーなども来てトークショーなんぞもやっていました。しかし、F1を引退したとはいえまだ中嶋も若いね〜 長谷見さんも若くて笑えます(笑)


FCレーサー 【画像下】
 画像下左の紫のFC3Sは国内レースで使われてたやつかな? 右の白いFCはアメリカのIMSAを走ってたやつでGTOクラスではチャンピオンを獲得していたはず。マツダのRX-7や日産のフェアレディZといったロングノーズショートデッキの車ってアメリカでは人気で結構レースでも使われていました。


フットワークF1 & 日石インパルF3000  【画像下】
 この白と赤の縞々のマシンは楳図かずおの「まことちゃん」をイメージしたようにも見えますが、鈴木亜久里が乗ったアロウズを買収したフットワークのF1です。もう一台の日本石油カラーのF3000はホシノインパルの星野一義が乗ったマシンと思われます。


編集後記

 今回は1992年と1993年の東京オートサロンの模様をご紹介してみました。この頃はCARBOYやOPTIONといった雑誌で盛り上がっており、チューニングカーが最もメジャーになった時期といっていいと思います。まだ、バブルもはじける寸前で業界自体も潤っており、改造車に対する合法化も一気に進んだ時代でした。こうやって振り返ってみるとFC3Sの画像が多いことが分かると思いますが、これは完璧に個人的な趣味です(笑) 最初に乗ったハチロクも楽しかったけど、コンパクトな車体にロータリーターボのパワフルなFCは車両価格も安くていい車だったよなぁ・・・今見てももう一度乗りたくなるくらい当時のFCは格好良く、お金と置く場所あればもう一度乗りたい一台です。







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