全日本富士GTレース大会1994 &1996
 
1994年と1996年に富士スピードウェイで行われた全日本富士GTレース(JGTC)の模様をご紹介したいと思います。全日本GT選手権は1993年より行われているカテゴリーで、全日本ツーリングカー選手権(JTC)がグループAの規定による車両で争われるのに対し、全日本GT選手権はル・マン24時間レースのレギュレーションを参考にした日本独自のカテゴリーのレースです。まぁ、はっきり言うと国際シリーズ化される前の現在のスーパーGTと言えば解り易いと思います。すなわちハコ車で争われる国内最高峰のレースでGT500クラスは500PS程度、GT300クラスは300PS程度とするクラス分けは現在のスーパーGTと変りません。ただ、1994年の公式プログラムではGT500とGT300ではなくて、GT1とGT2というクラス分けになってるけどね(苦笑)



1994年の全日本富士GTレース



予選結果
 まずは1994年の予選結果です。予選トップは茂木和男のドライブするタイサンADVANポルシェ962Cって・・・Cカーじゃん! 何故出走出来るのかこの辺のレギュレーションはイマイチよく解りません?? 予選2番手には景山正彦のカルソニックスカイライン(BNR32)が続きます。しかし、昨年から始まったカテゴリーなので両クラス合わせても全18台のエントリーとは随分少ないです。


レインXアートカウンタック

 うひょ〜 小学生時代のスーパーカーの王様ランボルギーニカウンタックも走ってるじゃないの! こんなスーパーカーも走らせちゃうところがGT選手権の面白いところでもあります(笑)しかもドライバーは漫画「サーキットの狼!」の作者池沢さとしってとこが笑えます。しかし、予選タイムはパートナーの和田孝夫と1分近く差があるけど大丈夫かぁ〜?


タイサンADVAN・F40

 タイサンADVANのフェラーリF40ですねぇ〜 これも管理人の好きな車両の一台です。レーシングカーそのまんまのフォルムで実際のレースにも投入されるなんて格好良かったなぁ それを操るのは鈴木惠一と日本一のフェラーリ使いと呼ばれた太田哲也さんです。近年はGT300クラスを走ってるフェラーリですが、この頃はGT500クラスでブイブイ言わせていました。まぁ、始まったばかりのカテゴリーなので今と違ってレベルも低かったけどね(苦笑)


カレラRSR & 外国屋スカイライン 【画像上】
 GT1クラスのポルシェRSRとGT2クラスのスカイラインHR31です。ポルシェというと現在はGT300クラスの車両のような気がしますがGT1(現GT500)クラスにエントリーです。一方、型遅れのセブンススカイライン(HR31)はこれはこれでいい味だしてるなぁ〜 当時は何とも思ってなかったけど、いかにも日産らしい直線的なデザインが格好いいです。


カルソニックスカイライン

 1コーナーを立ち上がるカルソニックスカイライン(BNR32)の景山正彦です。前年度に引き続きこの年もシーリーズチャンピオンを獲得しました。でも、昨年度はGT1(現在のGT500)クラスの参加台数が2台プラスαでレースが成立したのが3戦のみと、いかにレベルが低かったか解ります。まぁ、始まったばかりの日本独自のカテゴリーで各チーム、メーカー共にまだ手探りの状態でした。


タイサンADVAN
ポルシェ962C

 いわゆるグループCのポルシェ962Cです。現在のGTでも紫電だのヴィーマックだのよく解らんプロトタイプカーがエントリーしていますが、レギュレーション上何故出走出来るのかよく解りません。一説によるとこの962Cはウェイトハンデが300Kgもあったとか? それでもポールを取れるのだからやっぱり純レーシングカーのポテンシャルは高いです。


あめんぼうシルビア & KORG KEGANポルシェ 【画像上】
 PS13のシルビアは服部尚貴のドライブでGT1クラスにエントリーです・・・シルビアというとGT2クラスのイメージだけど意外です。KORGのポルシェはGT2にエントリーですがホイールが5穴のノーマルじゃないの(驚)まぁ、即席マシーンといったトコですかね(苦笑)


コックピット館林GTR & ミューズオイルRX7 【画像上】
 GT1クラスのコックピット館林のGTRとGT2クラスのミューズオイルRX7です。そういやこの頃はコックピット系列のチューニングショップが繁盛してた頃だっけなぁ〜 ワイドボディ化されたFC3Sはユアーズスポーツのセブンを思い出させます。


Aコーナー 【画像下】
 カルソニックスカイラインを先頭にタイサンの962C、コックピット館林のGTR、あめんぼうシルビア、FC3Sと続きます。う〜んこうやって数珠繋ぎで走ってくる車両を見るととても同じレースを走行している車両とは思えんな・・・(汗)





 さて、次は1996年の全日本富士GTレースです。レースの世界は進歩が早く、たった2年ですが1964年と比較するとエントリー車両も随分変化しています。



予選結果
 1996年の全日本富士GTレースの予選結果です。この頃になると国内のハコ車レースとして最もメジャーになりエントリー台数も随分増えています。ポールはラークマクラーレンF1GTRの服部尚貴とまだF1ドライバーになる前のラルフシューマッハだったりします。その他にもカストロールトムススープラの関谷さんのパートナーにやはりF1ドライバーになる前のペドロ・デ・ラロサの名を見つけることが出来ます。


ラーク・マクラーレンF1GTR 【画像下】
 当時はこのマクラーレンF1GTRを観に行ったと言っても過言ではありません! このマクラーレンF1GTRはカーボンモノコックのボディにBMW製の6.1LV12気筒エンジンを搭載した車両で、一般的な2シーターではなくセンターにドライバーズシートが配置され、若干後退した両サイドに助手席が配置されております。いや〜 こんな車で両サイドに美女を乗っけてドライブに行きたいもんだ(笑)な〜んてミーハーな車ではなく究極のスーパーマシンです。


DICサードスープラ

 このDICサードスープラのドライバーはワイン・ガードナーだったりします。かつてモリワキモンスターを操り、鈴鹿8耐ではRVFを駆り何度も優勝し、ロスマンズカラーのNSRで世界チャンピオンになっているあのワイン・ガードナーです。2輪レース引退後、一時期4輪に転向し国内の全日本GTレースにフル参戦していたんだよね(笑) まぁ、現在は故郷オーストラリアに戻っているみたいけどね!


カストロール
トムス・スープラ

 36番のカストロール・トムス・スープラを駆るスカイブルーのヘルメットはMr.トムスこと関谷正徳さんですね!日産がGTR(R32)を全日本ツーリングカーレース(JTC)に投入してからトヨタはワークス活動してなかったけど、この80スープラになって復活です。でもエンジンは3L直6の2JZじゃなくて2L直4の3SGなんだよなぁ(苦笑)チームメイトはご存知ペドロ・デ・ラロサです。


トラストスカイラインBNR32 & 井村屋EP MR2 【画像下】
 この頃は破産してしまったあのトラストもレースに参戦していました。マシンはR32のスカイラインGTRですがエンジンはRB26ではなく2L直4のSR20DETだったりします(苦笑) この井村屋のMR2じゃないけど、MR2では今じゃ国会議員になってしまったセクシ〜ナイト〜♪の三原順子先生もドライバーとして参戦してたよなぁ〜 その他にも岡本かおり(byお姉さんの太股)といったタレントも当時はレース活動していました。


ADVAN BP NSX

 元祖ゼッケン100番のアドバンカラーのNSXは高橋国光師匠と土屋圭一の師弟コンビです。この頃からホンダはNSXを使い続け、やっと2010年にプロトタイプカーのHSV-010にスイッチしました。しかし、近年まで使われてたNSXみたいにブリブリにワイドボディ化されておらず好感がもてますなぁ〜 昨今のはハリボテみたいで親近感が薄れるんだよね・・・なんかかつてのシルエットフォーミュラに近づいてるような気がするけど(苦笑)


カルソニックスカイライン
GTR(R33)

 無敵艦隊のカルソニック・スカイラインGTRもこの頃になると(R33)となり、4WDが売りのGTRもFR化されてたりします(苦笑) この辺のレギューションはグループAと全く異なっており、搭載エンジンも同一メーカーなら換装が許されております。ドライバーはカルソニックスカイラインお約束の星野一義・景山正彦コンビです。


PMBミニジュークポルシェ & STPタイサンポルシェGT2 【画像下】
 911系の最もポルシェらしいデザインのGT2はGT500クラスに参戦です。近年、ポルシェGT3やフェラーリF430、ランボルギーニガヤルドといった外車勢はGT300クラス参戦していますが、この頃はランボルギーニディアブロやフェラーリF40といった外車勢はGT500クラスにエントリーしていました。


FETスポーツスープラ

 FETスポーツのスープラです。FETといえばフォグランプやドライビングランプってイメージが強いけど、そういや昔FC3Sに乗ってた頃にFETのドライビングランプ入れてたっけ(笑)でも最近はこの手の後付けのランプって売れてんのかね? 最近の車はフォグランプもバンパーと一体的にデザインされているから後付けのフォグランプ付けてる車って見ないような気がするけど・・・今は後付けフォグよりHID化が主流ですかね(苦笑)


RE雨宮 SuperG RX7&GTS-R 【画像下】
 雨さんトコのFDもGT300クラスに参戦しています。ブルーとピンク鮮やかカラーリングは、RESuperGというロータリーエンジン専用オイルをイメージしたものですかね? GT500クラスのスカイラインは既にR33型が主流ですが、300クラスではまだGTS-Rが走っています(苦笑)


公式プログラム 【画像下】
 1994年と1996年の公式プログラムです。1964年の表紙にはカウンタックやIMSA仕様Z32も描かれています・そういやこのIMSA仕様の300ZXは残念ながらこの時は出走しなかったんだよな(残念)


コース図 【画像下】
 現在とは随分レイアウトが異なります・・でも1976・77年のF1開催の時と違ってサントリーコーナーやダンロップコーナー(確か昔はAコーナー、Bコーナー呼んでたと思うのだが…)が出来てかつての高速コースとは違っています。それ以前は破線の30度バンクもあったしね(怖)


編集後記

 今回は1994年と1996年の全日本富士GTレースの模様をご紹介してみました。確か1993年の初年度はエントリー台数も少なく盛り上がりもイマイチでしたが、翌年からは徐々にエントリー台数も増え、国産車が主流の全日本ツーリングカー選手権(JTC)では、エントリーしていなかったフェラーリやランボ、ポルシェといったスーパーカーが参戦することに興奮したことを覚えています。現在では国内最高峰のクローズドボディで争われるレースとして海外(マーレシア)にも遠征して成功をおさめているスーパーGTですが、当時はスタンダードに近いボディ形状で身近に感じました。昨今、レースの人気も下降気味で各チームとも参戦費用を捻出するのも大変かと思われますが、もう一度原点に戻りスタンダードに近い形状に戻すのも良いかと思わせる懐かしいレースです。






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