マークJエンジン製作日記(構造変更編)

 前回のセッティング編で完結したはずのマークJエンジン製作日記ですが、最後に構造変更について記載したいと思います。構造変更って何だ?って思う方もいるかと思いますが、解りやすく言えば改造申請または別名マル改申請と言われている手続きです。メーカー出荷時のまま乗っている方には全く関係ありませんが、カスタム車両に乗っている方にとっては、改造の内容によっては車検上問題が生じますので、変更内容を申請して合法的な車両にする必要があります。勿論、改造内容に関しては何でもいいという訳ではなく構造基準に適合していることが前提です。





シリンダー 【画像下
 さて、そもそも何でマークJエンジンに換装すると構造変更が必要なのでしょうか? ケース自体はマークUのものを使用しているので原動機形式(KZT00AE)は変らないのですが、問題はシリンダーの排気量鋳出しにあります。【画像下左】がマークUの1,015Lシリンダー【画像下右】がマークJエンジンに使用した1,089Lのシリンダー・・・つまり車検証の排気量と一致しません。
 では、車検証の排気量とシリンダーに鋳出しが一致しないと車検に通らないのかといえば、検査官はそんなところは見ないかもしれません。しかし、万が一見られたら通らないのは目に見えているので、今後も安心して乗り続けることを考えると構造変更手続きをしておいた方が無難です。



ボア測定

 当初からこのシリンダー鋳出しの問題は把握しており、構造変更することを見越してエンジン製作時において排気量が確認できるように記録を残しておきました。具体的にはボアが解る画像(ピストンやシリンダーの径計測と石刷り)になりますが、あまり良いお手本ではなくエンジン番号とボアが同時に確認できるように撮影するべきでした。(同一エンジンと確認できない為)




マニュアル 【画像下】
 書類に関してはサービスマニュアルやパーツリストの抜粋も準備しておきます。具体的にはボア×ストロークや出力スペックが解るページやフレーム番号とエンジン番号が解るページの写しも用意します。また、画像はMKUのものですが、同様に流用したZ1100系マニュアルの抜粋の写しも用意し、流用したシリンダーの排気量が解るようにしておきます。



パワーチェックデータ 【画像下
 排気量増大に伴い出力測定データを求められる場合もありますので、パワーチェックデータも用意しておきますが、陸事で指摘されたのはデータがこの車両のものかが解らないので、チェックシートにフレーム番号の記載が必要とのこと。無い場合は手書きで追記して測定ショップの印を押して貰えばOKとのことでした。
 これが揃えた書類一式になります。まぁ、不要なものや写真の撮り方が上手くなかったりしますが、資料は多いに越したことはないので可能な限り用意します。ただ、余分なものを提出したばっかりに藪蛇になることも想定されますので、提出に当たっては吟味することが必要です。



自動車検査登録事務所

 準備が整ったら陸運局へ相談に伺います。構造変更は新規の場合を除き、管轄の陸運局でしか手続きすることは出来ません。よって管轄の習志野陸運局に書類と車両を持ち込み相談に伺いますが、構造変更なんて初めてなので、その後の書類審査で洗礼を受けることになります。また当り前ですが車両に関しては検査に通る状態でなければなりません。




 さて構造変更の手続きは本来なら書類審査が通ってからライン検査になります。要は、変更内容にOKが貰えていないのにラインの合格だけ貰ったところで意味がないってことです。しかし、車両を持ち込んでしまったので継続車検に必要な手続きを済ませライン検査をお願いしてしまいました。受付の方曰くライン合格の期限は2週間なので、その間に書類審査が通れば問題ないとのこと、よって同事進行にて処理して貰えることになりました。




ライン検査


 ライン検査は構造変更だからといって特別なことは何もありません。灯火類や音量チェック、メーターと制動テスト、光軸光軸測定といった内容で、お約束の光軸で引っ掛かったので不適方向と角度を教えてもらい、テスター屋に持ち込むことなくドライバーでちょこちょこっといじって再検査にてクリアしました。



事前相談 【画像上】
 ラインには合格したものの書類に関しては、ストロークが確認できるものが必要とのこと(汗) ボアの変更のみでストロークに関してはは変更していないので計測写真を撮っていませんでした。 結局J系も同じストロークということで違う検査官がOKしてくれましたが、この辺は検査官や管轄の陸事によっても見解が異なるみたいなので事前に陸運局に確認したほうが良さそうです。組んじゃったらバラさない限り証明することは出来ませんから。



事前相談 【画像下】
 書類に関しては持参したものの他に改造自動車届出書(第1号様式)の記入が必要になります。書き方については検査官が丁寧に教えてくれました。また、改造の目的については「走行性能の向上」というのが決まり文句になっているみたいです。
 その他の添付書類の指摘に関しては、前述の通り出力測定結果に車体番号が記入されていないので、この車両の測定結果か解らないとのこと・・・よって、測定した店で車体番号を記入して証明印を貰って下さいとのこと。また、出力アップに伴い動力伝達装置(チェーン・スプロケット)の強度検討書の提出を求められました。



 ここで求められたのはあくまで強度検討書であり強度計算書ではありません。よって強度計算の必要はなく、同じ動力伝達装置を使用している車両と比較して出力や重量が少ないとが解る資料を提出すれば強度的に問題ないことが証明できます。以上のことから同じサイズのチェーン・スプロケを使用している車種の中から自車より重くてよりパワーのあるZZR1400のスペックシートとチェーンとスプロケットメーカーの車種適合表を揃え提出しました。



再持込み

 書類を提出して5日後、陸事の担当者から書類審査が通ったとの連絡があったので再度車両を持ち込みます。所謂1番ラインで通常のライン検査とは別に構造変更に伴う変更の確認を行います。具体的には車重の測定やエンジン番号・シリンダーの鋳出しの確認、最高出力回転数変更による音量測定(4000rpm→4250rpm)を行いました。




車検証 【画像下
 あとは、ライン出口にて合格印を貰い言われた窓口に行って書類を提出、申請書類を購入したり記述したり言われた通りの窓口で手続きを行えば無事車検証が交付されます。ただ、内容はよくチェックした方がいいかも・・・肝心の排気量が変ってなかったりしましたから(汗) ちなみに逆車のため形式に改の文字は付かないそうです。



改造概要等説明書 【画像下】
 構造変更をすると車検証の他にこのような書類が戴けます。改造概要等説明書(改造自動車審査結果通知書)第2号様式というそうな・・・まぁ、内容的には自分が提出した改造自動車届出書(第1号様式)を正式な書類にして自動車検査部独立法人の事務所長の印を押したものになり改造内容の証明証みたいなものになります。




編集後記
 無事、公認車両となった訳ですが今回はエンジン以外の申請は一切しておりません。改造申請届出書には動力伝達装置や緩衝装置、制動装置といった項目があるので、本来ならそれらも届出なければならないと思われるものの、問題なく今迄この状態で通っていますし、今回の構造変更手続きにおいてもその辺の指摘は一切ありませんでした。まぁ、時間があれば変更してもいいのだろうけど、結局のところ自己マンだし、逆に手続きでつまづいても面倒なので今回はこのままとします。現実的にはエンジン換装等しない限り構造変更の手続きは不要と考えますが、もし行う場合は管轄の陸運局と事前に打合せに行き必要書類を確認しておいた方はスムーズに手続きが進むと思います。










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