エンジンオーバーホール(その2)に伴う車体組み立て編

 さて今回はエンジンのオーバーホールが主たる目的ですが、エンジンを降ろす機会なんて滅多にないし、せっかくエンジンを降ろすのであればついでに車体も色々メンテナンスしたいよなぁ・・・前回のオーバーホールの時にはフレームの粉体塗装も施していますが、流石に10年も経過すると大分くたびれています。よってこれからも末永く乗るために再度車体も全バラにして化粧直しを施し、各部のベアリング類も全部交換することにします。ということでここからはオーバーホールに伴う車体組み立て編です。



 ここで車体を組み立てるのにあたり行いたいメニューをピックアップします。う〜ん フレームの粉体塗装は再度行うとして、ステムベアリングの交換、スイングアームのバフ掛けもするかな・・・バフ掛けするならスイングアームのニードルベアリングも交換したいところです。


車体バラシ 【写真上】
 エンジンの抜き取られた車体はショップで邪魔になることからハイエースにて引き上げて来ました。しかしあれですなぁ〜 エンジンの無いバイクってのはえらく軽くなるもんですなぁ〜 ということで部品を無くさないように整理しながらどんどんバラしていきます。ゆっくり作業しても二日もあれば全バラにするには十分かな(笑)


フレーム 【写真上】
 フレームが単体になったら各部をダンボールにて養生して宅急便にて、毎度お世話になっているパウダーコティングカトーさんに発送します。今回は約2週間でフレームの帰還となりました。しかも、ベアリングのレースまで抜いて戴きまして有難う御座いました。カトーさんはネジ部もマスキングしてくれるので組み立て時にタッブを立てる必要も殆どありません。


クロモリシャフト 【写真上】
 後から組み直すのも面倒なので、この際クロモリシャフトもワンオフ製作することにしました。表面仕上げは無電解ニッケルめっきで仕上げていますのでとても綺麗で、フロントアクスルシャフトとピポットシャフトは中空に変更しており、軽量になっただけでなく剛性もアップしています。


スイングアーム 【写真上】
 スイングアームはエンブレムとチェーンスライダーを外してバフ研磨屋さんにバフをお願いします。暇な人は自分でやってもいいけどプロ並みには仕上がらないし、時間と労力を考えたら頼んだほうが安いです(苦笑) バフが仕上がったら新品ベアリングを打ち込んで貰いエンブレムとスライダーをリベット止めします。


フロントフォーク 【写真下左】
 フロントフォークもこの機会にオーバーホールします。既にスクーデリアオクムラにてMEチューンが施されておりますが、元来、初期型油冷GSX-R用の為に造られたフォークのせいかバネレートが不足しています。今回は併せてバネレートアップと減衰力の見直しも行いました。
スピードメーターギヤ 【写真上右】
 スピードメーターギヤも新品に交換します。管理人のゼットはホイールがゼファー1100用のダイマグHセレクションなのでメーターギヤーもゼファー1100用です。この辺は高年式車用に交換しておくと欠品の心配がなくて安心です。


ステムベアリング&ハブダンパー 【写真上】
 スプロケットのハブダンパーもガタが生じていますのでこの際交換します。ダイマグにはゲイルスピードのハブダンパーが流用出来て価格もダイマグの半額だったりします(笑) ステムベアリングとレースも交換しますが、ベアリングプーラーやベアリングレースハンマーを持ってないので、交換はショップにお願いしました(苦笑) 


東日トルクレンチ

 エンジンや車体を組むのにトルクレンチは必需品だよなぁ・・・う〜む、色々検討した結果、信頼性と手頃な価格で東日製作所製に決定! 車体の組み上げを考えると最低2本は必要だよなぁ〜 こればっかりは大は小を兼ねないし、小も大は兼ねないので仕方がないかぁ・・・この2本で5〜140N・mまでをカバー出来てネットで買えば3万でおつりがくるのでアイラブユ〜OK(by矢沢)でしょ!



組み立て

 部品も揃ったのでいよいよ車体を組み立てます。こうやって部品を並べてみると原寸大のプラモデルのようだなぁ〜 取り敢えず手を付けたなら足回りとハンドルまでは付けないと転がせないからなぁ あとブレーキも付けたいところだけど・・・どうせならキャリパーの丸洗いとピストンの揉み出しもしたいしなぁ と手をつけたら途中で日が暮れちまった・・・(汗)




 取り敢えず日が暮れそうになったので、キャリパーの丸洗いと揉み出しを途中でやめて何とかバイクらしい形まで仕上がりました。でも、一番面倒臭い電装系の部品が全く付いてないんだけどね(苦笑) まぁ、付けちゃってもいいんだけどエンジン積む時に邪魔になるのでエンジン搭載後に付けることにします。まぁ、どっちにしろエンジン積まなきゃ動作確認も出来ないしね(笑)



フレーム養生

 せっかく綺麗にフレームをパウダーコートしたのに、エンジンを搭載する時にぶつけてキズだらけにしては元も子もありません! よってエンジン搭載前にフレームを養生します。フレームの養生には太めの水道ゴムホースが最適で、この太めのゴムホースを縦に半割りにしてマスキングテープで止めることでエンジン搭載後に簡単に取ることが出来ます。



エンジン搭載 【写真上】
 フレームの養生をしたら、シリンダーまで組んだ状態でエンジンを搭載します。個人的にはこの状態で積むのが作業効率的にはベストかな・・・(笑) エンジンを搭載したらドライブチェーンを装着します。スイングアームがスタビライザー付なのでバフ掛けするのに切断したので再度繋ぎ合わせなければなりません(汗)


キャブ挿入〜! 【写真上】
 新品のインシュレーターにキャブを挿入するのは結構至難の業で、気合入れて押し込もうとするとサイドスタンドが外れて車体を倒しそうになったりします(苦笑) そんな時は、ガッチャタイダウンベルトを使用するとキズもつけずに簡単にキャブを入れることが出来ます。ドドスコスコスコキャブ挿入〜!


OWスイッチ 【写真上】
 ハンドルスイッチは某P○C製のOWタイプを使用していましたが、昨年の山陰ツーでは接触不良から真夜中の高速でライトが全て消えることもしばしば・・・さすがは中国か台湾で造らせた粗悪品!この際ヤマハ純正の本物のOWスイッチに変更します。某社のはビニールテープをハンドルにグルグル巻かないとスイッチが固定出来ませんが、さすがは純正品でそんなことはありません!って当り前のことなんだけど何だかなぁ〜


スイッチ加工 【写真上】
 ヤマハ純正OWのスイッチは当然ですがハーネス側のコネクターと合いません!よってP○C製スイッチのコネクターと交換します。配線の色は本物もP○C製もほぼ同じなので悩まずに入れ替えができます。また、ヤマハ製はP○C製のように底にネジ山が切ってなかったので、タップを立てて無線機のスイッチを取り付けます。


K&N掃除 【写真下左】
 この際、汚れたエアークリーナーも綺麗にします。K&N専用のメンテナンスキットはクリーナーとオイルがセットになっており、スプレータイプのウォッシャーで汚れを落して水洗いして、よく乾かしてから専用オイルを塗ると新品のような淡いピンク色が蘇えります。
クランキング 【写真上右】
 補機類やワイヤー類、電装部品やハーネスも全てセットしたのでいよいよ火入れです。まずプラグを外してクランキングしてオイルを潤滑させます。その後プラグをセットして、燃料コックをPRIにして燃料をキャブに送ります。アクセルを煽って加速ポンプで燃料を送り込んでセルを回すとあっけなくエンジンが始動しました。


編集後記

 ということでド素人が初めて組んだエンジンはあっけなく始動してくれました。その後、軽〜くシェイクダウン走行をしましたが、クラッチが若干滑り気味な以外は特に問題はなさそうです。オイル下がりが解消したかどうかはまだ判りませんが、今後様子をみていきたいと思います。継続車検も無事済ませたので特に問題がなければ取り敢えずこれで今年もツーリングに行けそうです。まぁ、普通はよっぽどの変わり者か好きモノ以外はエンジンなんて降ろす機会なんて一生ないわな・・・(苦笑) でも、もし降ろす機会があったら車体関係もメンテナンスしておいた方が、後々手間も費用も掛からないのお勧めです。さて、これでひとまず乗れるようになったから今後はゆっくり本命エンジンの方を着手するかな(笑)
 





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