エンジンオーバーホール (その2) バラシ編

 さて、2002年の前回のオーバーホールから約9年が経過して、その間、北は北海道から南は九州まで日本全国を6万kmに渡り走破してきたマイZですが、最近オイルが異常なほど減るようになってしまった・・・う〜む、そんなに調子悪くないし白煙噴いてる様子はないんだけどなぁ・・・セッティングが濃いので黒煙は吹くけどね(苦笑) まぁ、メーカーから部品も年々出なくなってきてるし、ここいらが潮時かなぁ・・・と意を決して全バラにすることにしました。今まで十分楽しんだし元は取ったでしょう(笑)って言うか煩い人なら「とっくに美味しいトコ終わってんじゃん!」と怒られそうですが・・・ということで、まずはオーバーホールレポート(その2)バラシ編です。



 まず、オーバーホールをするのにあたりエンジンの現状のコンディションを把握します。それをしないことにはオーバーホールやチューニングメニューも決まらないし必要部品のピックアップも出来ません!ということで、まずはバラしたエンジンの各部の検証から楽しく歌など唄いながらいってみようかぁ〜


おどるポンポコバルブ 【写真上】
 前回、打ち換えてないバルブガイドですが、MKUはZ1と異なり耐久性のある鋳鉄製なのでZ1のようにガイドが磨耗して、バルブが「おどるポンポコリン」(byまる子)になっていることは少ないです。 吸気も排気もみんなぁ〜♪ バルブが踊っている〜よぉ〜♪ ポート中からボワっとぉ〜♪ ノ〜マルバルブの登場っ♪


プラグホールクラック 【写真上】
 燃焼室のカーボンを落とすと、前回のオーバーホール時に分かってたことだけどプラグホールからシートリングにかけてクラックが確認できます。この辺のヒートクラックはZのお約束ですね・・・まぁ、Zの場合シートリングは鋳込みなので脱落することはまずないけど、圧入してある車種だとシートリングがヘッドから脱落したりします。
エ〜ンジンを暖めたなら〜♪ シート〜リング〜抜け落ちたね〜♪(ルビーの指輪より)


飛んでバルブステムシール 【写真上】
 げっ!バルブステムシールのスプリングが入ってる頭が飛んでイスタンブール(by庄野真代)になって首チョンパステムシールになってる・・・原因はこれだなきっと・・・通常カーボンが付着しづらいEXバルブの傘も「カーボンは雪のように」になっています(苦笑)
飛んでバルブステムシ〜ル〜♪ オイル下がりのシ〜ル♪ 飛ぶ前は〜パラダイス♪


バルブガイド 【写真上】
 しかし、何故にバルブステムシールが首チョンパになっているのだろう?とポートを覘き込むと・・・ガイドの突き出し量が各ポートによってバラバラです。よって多分、バルブステムシールの頭がリテーナーで叩かれたため首チョンパになったと思われます。
ガイド薔薇薔薇♪ とにかく薔薇薔薇♪ 高さ薔薇薔薇♪ まったく薔薇薔薇♪
(トシちゃんの君に薔薇薔薇という感じ・・・ね!)


カムメタル 【写真上】
 カムメタルの当たりはベタ当たりだなぁ〜 Zなんてヘッドが歪んでいて面研したってカムラインは修正されないから当たりの出たメタルは交換しない方がいいとの考えもありますが、ここまでベタだとなぁ・・・ 歪んだヘッドを見つめながら〜♪ あてにならないメタルを占えばぁ〜♪(ZIGGYのGLORIAね!)


カムチェーントンネル 【写真上】
 カムチェーントンネルにはカムチェーンが当って削れた跡が・・・前回バラしたときもあったけど、どうなればこんトコが当たるんですかね?これだけ綺麗に2本の溝があると雪道のわだちかスキーが滑った跡みたいです。ブ〜リ〜ザ〜ド♪ ブリ〜ザ〜ド〜♪(byユーミン)


カムチェーンガイド 【写真上】
 お約束のようにいつも居なくなってるカムチェーンガイドです。お〜いドコ行ったんだぁ〜ってオイルパンからバラバラ死体のような残骸で発見されました。あ〜ぁ 悲しいね〜ぇ〜♪ 悲しいねぇ〜♪ オイルパンの中にぃ〜ガイドが落ちていたぁ〜♪ ポキリと折られたガイドが落ちていたぁ〜♪(ひろみGOと樹木 希林の林檎殺人事件だよ〜ん!)


なんてたってアイドラーギヤ 【写真上】
 ノーマルアイドラーギヤは、インナーのゴム部分が「カッチカチやぞ!」(byザブングル加藤)になってしまうので、リジットタイプのアイドラーに変更したんだけどエンジン本体への攻撃性が強いみたいです。レースなんかに使用すると最悪割れちゃう場合もあるんだと・・・この辺はどうすっか要検討ですな〜 なんてったってアイドラ〜♪ なんてったってアイドラ〜♪ (byキョンキョン)


カーボンは雪のように・・・ 【写真上】
 前回、ヨシムラ73φピストンから交換したワイセコ73φのピストンですが、ピストントップには真っ黒なカーボンが厚く付着しており「悲しみは雪のように」(by浜田省吾)ならぬ、「カーボンは雪のように」になっています(苦笑)
ピスト〜ントップにカ〜ボンがぁ〜♪ 雪のよ〜うに積もる〜エンジン〜♪


ピストン 【写真上】
 ピストンは意外にも磨耗は少なかったものの、3・4番のピストンのスカート部分にはこすられたような少し強い当たりが見られました。そういや〜 高校は男子校だったから三角関数の加法定理cos(α+β)=cosαcosβ−sinαsinβを「こすってこすって異性(マイナスだから)にシュッ!シュッ!」って教えられたっけ、あと「こすってさすってとか・・・」普通はコスモス咲いたとか教えるんだけど・・・あんまり関係ないね(苦笑)


クランクシャフト 【写真上】
 前回、芯出しして組んだクランクシャフトですが手で回してチェックすると・・・ん〜途中で引っかかるような重たい箇所があります。これではスムーズに回転しないし振動も多いはずなので、スムーズに回るようにしなくちゃですね! 
回転するのに〜 疲れたぁみ〜たい♪ 回らなく〜なぁった訳じゃ〜なぁ〜い♪(松山千春の恋だよ〜ん!)


クラッチハウジング 【写真上】
 最近はJ系ハウジングを流用するのが当り前田のクラッカーですが、以前はそんなキットは無かったのでファルコンの削り出しハウジングを組んだんだよね、でもフリクションプレートに叩かれて結構磨耗してるな・・・この辺はJ系クランクケースと異なり割らないと交換出来ないので迷わずJ系ハウジング&ハブに交換です・・・Jハ〜ブ受け止めろ〜♪ クラッチってやつを〜♪・・・Jハ〜ブ♪・・Jハ〜ブ〜♪(浜田省吾のJ.BOYだよ!)


 まぁ、ざっとこんな感じでしょうか? 他にもチェックすべきトコはあるんだけど今回はこんなもんで! ここでふと疑問が・・・今のヘッドのガイドを打ち換えたり面研したところで、プラグホールとシートリングのクラックは直らないし、クランクだって芯出ししたところで10万km以上使ってるし、シリンダーだってサイドのネジ山潰れて母材のアルミ自体もボロボロだよな・・・ポリスはKZ1000-P24の最終型が2005年まで製造されていたから部品は全部新品で揃うはず・・・ならいっそのことポリスのヘッドからシリンダー、クランク、ミッションまで全てコンバートしちゃえばいいんじゃね?って「これだから素人は困るんだよなぁ〜 そんなことが簡単に出来ればみんなやってるっちゅうに! 第一もし可能だとしてもそんなの邪道じゃん!」なんて罵声が聞こえてきそうですが・・・まぁ、ヘッドのみであればAPEのトップアイドラーアダプターを使えば比較的容易にコンバート出来ますが、J系以降のエンジンはカムチェーンがMKUのローラーチェーンと異なりサイレントチェーンだし、それに伴うカムチェーンガイドの形状も全く異なっています。「そんなの常識じゃん! 今更何言ってんの?」なんて言われそうですが、比較してみないことには始まりませんので、早速お仲間のNさんにJ系のクランクケース、シリンダー、クランクシャフト1式を持って来て貰いました。


検証(その1)クランクシャフトとクランクケース 【写真上】
 まず、MKUのクランクケースにJ系クランクシャフトを入れてみます。当り前と言えば当り前田のクラッカーですが問題なくすんなり入ります。ストロークも全く同じ66mmですから回転させてもケース内側に干渉することもありません。それより問題なのはピックアップ関係とジェネレーター関係がすんなり付くかですね・・・それではその辺を検証してみましょう!


ピックアップ 【写真下左】
 ピックアップに関してはクランクのエンドは径が太くなっており、MKUのポイントベースが付きません(#$%&・・・><)しかし、これはJ用のベースに交換すればクリア出来そうです。某社のポリス新品クランク改のMKU用クランクシャフトも、以上の理由によりJ系ポイントベースに交換が指定されていると思われます。勿論、ベース取り付けボルトの位置は両車全く同じです。
ジェネレーター 【写真上右】
 それでは、反対側のジェネレーターカバーはどうでしょう? MKUのステーターコイルとマグネットローターは既に生産終了しており、もしポリスの部品が使えれば・・・ってそんなに上手くいくわけありません(苦笑) J系は発電量アップの為かローター、コイル共に大型化されておりMKUのジェネレーターカバーに納まりません。よってカバー、ローター、コイル全てMKU用を使えばそのまま付きそうです。逆に考えればジェネレーターカバーの取り付けボルトの位置は両車全く同じなので、J系のカバー、ローター、コイル全て使えばJ系のジェネレーターにコンバートも可能と思われます。(あくまで予想なので付かなくも責任は取れませんよぉ〜!)


検証(その2)シリンダーとクランクケース 【写真上】
 次にMKUのクランクケースにJのシリンダーをドッキングしてみましょう。クランクが入るのですから当然シリンダーピッチは同じ。スタッドボルトの位置も同じですんなりシリンダーが納まってくれます・・・が、カムチェーンの軌道やカムチェーンガイドが大きく異なるのでカムチェーントンネルの形状が合いません。特に前側が大きくずれており、これではベースガスケットの噛み代が殆どありません(苦笑)


検証(その3)カムチェーンガイド 【写真上】
 画像上左はMKUのアッパーケースで右はJ系のアッパーケースになりますが、当然といえば当然ですがケース側に後側カムチェーンガイドを取り付ける為の溝も無いので、そのままではJ系のガイドを付けることは出来ません。また、前側のガイドについても、溝自体はシリンダー側にあるもののケース側の形状が大きく異なっており、そのまま取り付けという訳にはいきません。


アッパークランクケース 【写真上】
 シリンダーはJ系の物を使えば当然シリンダーヘッドもJ系のモノがそのまま付きます。しかし、燃焼室がMKUと比較して大きくなっており、このままでは圧縮比が下がってしまいます。調べてみるとMKUとJ系ではピンハイトが異なり、ピストンキットもMKU以前とJ系以降でラインナップが異なります。よってクランク軸からアッパークランクケースのシリンダーベース面までが同じ高さであれば、J系ピストンを使えばJ系と同じ圧縮比になるはずです。測定した結果、予想通り両車全く同じでした(笑)


編集後記

 さて、以上がMKU(Z系)とJ系の異なる箇所ですが、これらの問題をクリアしないことにはコンバート大作戦は成功しません。そんなことやる位なら、ケースもJ系を使ってエンジンマウント造った方が早いような気もしますが・・・ まぁ、コンバートするなら問題は何といってもテンショナーだよなぁ・・・Z1〜MKUはカムチェーン廻りのトラブルが多いのでここは何とかしてコンバートしたいところです。逆にテンショナー関係の取り付けさえクリアできれば他はすんなり?いきそうです。まぁ、ミッションもボルトオンじゃ付かないらしいが・・・Z系クランクケースJ系のクランク・シンリンダー・ヘッドをコンバートする為には、要はアッパークランクケースにカムチェーンガイドが付けられるように加工すれば、アイラブユーOK!(by矢沢)っちゅうことみたいです。






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